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2022.10.24 08:15

過剰在庫と返品に苦しむ米小売業界、一方在庫整理ビジネスは好調

Getty Images


こうした在庫整理ビジネスの急成長を示す数字は、至るところに見受けられる。リクイディディ・サービシズの直近の決算となる2022年第3四半期(6月30日締め)の数字を見ると、流通取引総額(GMV)は、前年同期比33%増の3億2500万ドルに達し、これまでの最高額を更新した。
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リクイディティ・サービシズは、この業界でも数少ない、「パレット」を販売する企業のひとつだ。小売店から引き渡された商品を輸送用パレットに分割し、(熱で収縮する包装用プラスチックフィルムをぐるぐる巻きにした)「シュリンク・ラップ梱包」されたそのパレットを一般に販売している。こうして作成されたパレットは、商品カテゴリーによって異なるが、1つにつき500ドルから5000ドルの価格でeBayユーザーたちに販売される。

「liquidation pallet(清算品パレット)」という単語でユーチューブを検索すると、ひともうけを狙って、未開封返品をまとめたパレットを買った人たちがアップロードした数百件の動画が表示されるはずだ。こうした動画には、転売して利益が出せるような、見過ごされていた逸品を見つけられないかと、宝箱を開けるような期待感を持ってパレットを開封する様子が収められている。

2022年2月に放映されたCNBCのリポートによると、返品と過剰在庫の山が築かれている状況を受けて、全米で値引き品を売るポップアップストアが続々と出現しているという。「ダート・チープ(Dirt Cheap)」や「トレジャーハント・リクイデイターズ(Treasure Hunt Liquidators)」といった名前のストアだ。
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目端の効く消費者のなかには、こうした店の出荷スケジュールをチェックし、新着商品から真っ先に掘り出し物を手に入れようと、徹夜で並ぶ者もいる。

おそらく、こうした「在庫一掃ブーム」が招く最も顕著な帰結は、消費者心理の大転換だろう。ほぼすべての資産の価値が暴落した2008年のリーマン・ショック後の展開と同様に、今回は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが残した傷跡、サプライチェーンの混乱、そしてインフレという要素が相まって、買い物客は、値下げやセールを期待する心理状態に陥る可能性がある。

こうした状況のもとで、消費者心理の変化を正確に把握していない小売企業やブランドは、苦難に直面することになるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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