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2022.10.25

第三次産業革命になりうる「グリーン市場革命」とは?

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電化の推進はやはり最大の資金投入を得られるが、さらにそれ以上の金額が必要になるだろう。最近の米国とEUの環境持続可能性法案では、6900億ドル(約103兆4100億円)以上が電化の推進に充当され、政府による投資の中で断トツに大きな割合を占めている。しかし、単にインフラを整備するだけでなく、プロセスにも問題がある。

もし2021年末に電力網への接続を申請した米国のプロジェクトがすべてすぐに建設された場合、8年も早く80%の電力がクリーン化されることになる。すばらしいことではないだろうか? 問題は、それぞれの申請には電力網運営会社との「相互接続契約」を必要とし、現在はこの「相互接続待ち」が発生しているということだ。2021年現在、平均的な電力プロジェクトは待ちの状態で4年を費やしており、2000年代の2.1年と比べると、その差は歴然としている。

私たち(私たち自身やモノ)の移動の話は、EV車に関することだけではない。(2035年までに新たなガソリンエンジン車の販売を禁止した)カリフォルニア州のような法律が、現行のガソリンエンジン車に実質上の制限時間を設定し、すべてのクルマが電気自動車に移行した際に必要となる充電ステーションが大量に設けられることで、人の移動をより容易にしてくれるだろう。しかし、自動車だけでなく、飛行機、船、トラックなど、すべての交通機関が変わらなければならない。

すると、IoT、テレマティクス(車両に搭載したカーナビやGPS機能を搭載した機器を、通信システムを利用してインターネットに接続し、さまざまな情報を管理したり、関連サービスを提供すること)、予測分析などの市場機会も増えてくる。例えば、環境的に持続可能な交通経路を実現するためのソリューションが必要とされている。

居住空間の暖房や冷房に関しては、多くの新しい発明が必要だ。太陽光発電、水力発電、風力発電を用いた建物への電力供給もちろん、地熱発電、持続可能なコールドチェーン(商品の原材料の調達から生産、配送、販売までの一連の行程を低温かつ最適な温度を保つ物流方式)、自然エネルギーによるソリューション、気温連動型の空調や動作連動型の空調などの新市場が期待されている。これらの新市場はすべて、建物の冷暖房に起因する世界の炭素排出量の15%を削減するのに役立つだろう。

forbes.com 原文

編集=Akihito Mizukoshi

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