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2022.10.25

第三次産業革命になりうる「グリーン市場革命」とは?

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人類と地球のために必要な変化をもたらすという点で、私たちをここまで前進させてきたのは私たちの「倫理観」だ。ただ実は、私たちはそれほど前進してはいない。CO2排出量は、2021年に再び増加し、2020年の5.2%の削減をわずか1年で帳消しにしてしまったほどで、過去最高水準となってしまった。真のビジネス変革の起爆剤となるのは、まさに目の前にある前例のない市場機会であり、我々Forrester(フォレスター)はこれを「グリーン市場革命」と呼んでいる。

この革命は製品の製造方法、電化の推進、資金調達、資産の保護から、モノや自分自身の移動方法、さらには食事に至るまで、あらゆるものに対して、環境的に持続可能な新しい製品やサービスを提供する機会を企業に与えるものだ。私たちの活動すべてに関わることなので、この市場機会の大きさは計り知れない。

ここには「新しい市場」「持続可能性に必要なものに対応する市場」そして「元には戻らない気候変動の影響に耐えるために必要な適応策に取り組む市場」の3つの分野が存在する。実は、この規模は非常に大きく、第一次、第二次産業革命に匹敵する。そして、それらの革命の頃と同じように、政府は最初の段階のいくつかに資金を提供し始めている。

Forresterの推計によると、現在、米国とEUだけで環境の持続可能性と気候への適応のために1兆4000億ドル(約209兆8160億円)が費やされており、グリーンテックに対するベンチャーキャピタルからの資金提供は175億ドル(約2兆6200億円)、グリーン金融商品(環境問題の解決に金融機能を使い、役立てていく商品)の市場は世界で6580億ドル(約98兆6000億円)だ。韓国のような他の国も同様の取り組みを進めており、韓国のグリーン・ニューディール政策は612億ドル(約9兆1700億円)と推定されている。

私たちは、ビル・ゲイツの著書『気候災害を回避する方法』からヒントを得て、さまざまな機会をカテゴリーごとに分類してみた。彼の著書では、どうやって世界を炭素排出ゼロの社会にするかという点に焦点を当てているが、我々は市場機会を適切に設定するために、彼の提示するカテゴリーにいくつか修正を加えた。私たちのカテゴリーは、ものづくりの方法、(私たち自身やモノの)移動方法、電化の推進、空間の暖房・冷房方法、資産の調達・管理方法、食事そして環境への適応方法だ。以下、これらの一部を紹介しよう。
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編集=Akihito Mizukoshi

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