AP通信とシカゴ大学の全国世論調査センター(NORC)が10月中旬に行った調査の結果、米国の民主主義の状況に対する見方は、支持する政党によって大きく割れていることがわかった。
「うまく機能している」と回答した人は、民主党支持者の15%、共和党を支持する人の5%だった。2020年の調査では、これとほぼ完全に逆の結果が出ており、同じように答えた人は、それぞれ6%、23%だった。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズとシエナ大学が18日に発表した世論調査では、中間選挙で投票する可能性が高いとしている有権者の74%が、「米国の民主主義は危険にさらされている」と回答した。
選挙制度への信頼度は低い?
AP通信とNORCの調査結果によると、民主主義の現状と選挙プロセスの信頼性については、民主党よりも共和党の支持者の方が、より暗い見方をしていることがわかった。
投票結果が「正しく集計される」と信用している人は、11月初めに行われる中間選挙を前に、回答者の47%となっている。民主党支持者は74%が結果の集計プロセスを肯定的に捉えているものの、共和党の支持者でそうした見方をする人は、わずか25%だった。
2020年の選挙について、大規模な不正や集計プロセスの問題は確認されていない。それにもかかわらず、「選挙プロセスの整合性は保たれていると思うか」との質問に対し、「まったくそう思わない」と答えた共和党支持者は、45%にのぼっている。
これは、ドナルド・トランプ前大統領が選挙後、「選挙が盗まれた」と繰り返し主張してきたことが影響したものとみられる。民主党の支持者で、選挙プロセスの整合性が保たれているとは「まったく思わない」と答えた人は、8%だった。
また、ニューヨーク・タイムズとシエナ大学の調査では、中間選挙の結果は正しく示されると「信用している」と答えた人は、登録有権者の69%だった。
選挙の問題点
選挙プロセスについて肯定的な見方をしている人は全体の25%で、民主党支持者の30%、共和党支持者の24%だった。
民主主義に影響を及ぼしている問題として多くの人が挙げたのは、「ゲリマンダー(不自然な区割りの変更)」となっている。いずれも過半数となる民主党支持者の77%、共和党支持者の51%が、これを問題視していると答えた。
また、米国の選挙における大きな問題について、無党派層の34%が、「有権者が投票を妨げられていること」を挙げた(29%は、「投票権を持たない人が投票していること」と答えている)。
ライバル候補の支持者が投票することを妨害する「ボーター・サプレッション」を大きな問題だと考える人は、民主党支持者の間では51%、共和党支持者の間では、23%だった。また、「不正な投票」を大きな問題とみる人は、共和党支持者の58%にのぼっており、民主党支持者の18%を大きく上回った。
(forbes.com 原文)