ロッカーは、従来のピックアップサービスよりも、多温度帯での保管、営業時間外のピックアップ、安全な配送などの利点があり、多くの小売企業がラストワンマイル・フルフィルメントの一つとして導入しています。また、ロッカーやキオスクは、複数の注文を1ヶ所に集めることができるため、燃料費や人件費を節約できるなど、効率面でもメリットがあります。また、商品の返品にも利用できるため、消費者の利便性の向上にもなっています。
スマートロッカーは目新しいコンセプトではありません。Amazonは2011年以来、アパートや第三者の小売店など、全米各地にロッカーを設置することに早いうちから取り組んでいました。また、ヨーロッパ諸国では、地方や郊外の買い物客が受け取れるよう、遠隔地にロッカーが配置されています。
米国では、Ahold Delhaize、Albertsons、Lowe’sなど複数の小売企業が、ラストワンマイルにスマートロッカーを追加することに関心を示しており、2022年1月、食料品チェーンのShopriteは、自動ピックアップソリューションプロバイダーのBell and Howell社と提携し、「QuickCollect Go!Pod」を導入しました。
同社は、このスマート食料品回収システムをニューヨーク州ニューロシェルの店舗の駐車場に設置し、オンライン注文のセルフサービスによるピックアップを顧客に提供しています。
多くのテクノロジーベンダーが、フルフィルメントサービスをより効率的にするために、ピックアップソリューションに新機能を統合しています。
・Cleveron社は、3種類の温度調節モジュールを備えた自動ピックアップキオスクを提供しており、食料品と通常の小包の両方を一ヶ所に保管することができる技術を提供しています。
・MobikeyやParcel Pendingなどの宅配ロッカー業者は、Bluetooth Low Energy(無線パーソナルエリア・ネットワーク技術)を利用して、消費者のスマートフォンからロッカーを開けられる機能を提供しています。
・Retail Robotics社のArctanと呼ばれる食料品のピックアップロボットは、200個の容器と28個の冷凍容器を収容しています。無人で4つの引き出しで注文を受けることができるため、一度に複数の注文を受けることが可能です。
・Bell and Howell社のQuickCollect XL食料品キオスクは、自動カーブサイドピックアップサービスを提供しています。このキオスクには7つのドライブアップステーションがあり、各ステーションに専用の駐車スペースがあるため、ピックアップのし易さと効率性を向上させることが可能です。