テクノロジー

2022.10.28 13:00

宅配より「店舗受け取り」を好む若者たち 米国の小売事情


ピックアップサービスの利用率は、オンラインショッピングを利用する高齢者に大きく引きずられており、オンライン注文を店舗で受け取る、あるいはその他の受け取り方法を利用する傾向が平均よりはるかに低くなっています。

過去1年間にピックアップサービスを主に利用したと答えた65歳以上のオンラインショッピング利用者はわずか6.7%に過ぎませんでした。また、25-34歳および35-49歳の層では、店舗での受け取りやその他のクリック&コレクトを利用する傾向が平均よりも高くなっています。

50歳以上のオンラインショッパーは、配送を利用する傾向が平均よりも高く、特に65歳以上は配送を強く希望しており、この年齢層の回答者の91.2%が過去12カ月間にオンライン注文を主に配送してもらったと回答しています。

図2. 米国のオンラインショッピング利用者が、過去12カ月間に主に配送またはピックアップサービスを利用したか


対象:2022年6月2日までの12カ月間にオンラインで商品を購入した13歳以上の米国人回答者920名(2022年6月2日調査) 出典:Coresight Research

今回の調査では、BOPISが主流である国際市場とは異なり、米国ではカーブサイドピックアップが最も利用されているクリック&コレクトサービスであることがわかりました。カーブサイドピックアップでは自動車を利用するため、国際市場では普及が制限されることが多いですが、米国では自動車所有率が高いのがその要因の一つです。また、米国の店舗は他国と比較して敷地が広いため、一般的にカーブサイドピックアップのためのスペースも広く確保されています。

図3. 米国のオンラインショッピング利用者が利用した商品のピックアップ方法

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図内の訳:選択肢左から「店舗の敷地内(カーブサイドピックアップ)」「店内(BOPIS)」「店外のピックアップ場所(ロッカー等)」「回答なし」。コメント「米国オンラインショッパーの間ではカーブサイドピックアップが最も利用されている」 対象:2022年6月2日までの12カ月間に購入品を主にピックアップした13歳以上の米国のオンラインショッパー125人(2022年6月2日調査) 出典:Coresight Research

食品・飲料、日用雑貨は、クリック&コレクトサービスで最も人気のある商品カテゴリーで、回答者の半数以上が過去12カ月間にこれらのカテゴリー商品をピックアップで利用したと回答しています。これは、これらの商品が日用品であることに加え、消費者が、第三者の食料品配送プラットフォームの配送料や商品の値上げを回避するためだと思われます。
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文=RxR Innovation Initiative

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