3. エゴを抑えられないこと
「誰もがエゴを持ち、重要な存在になり評価されることを願っている」とコープマン。「しかし、そこはあなたの出る幕ではないかもしれない」
エゴは、人間にとって自然な体験だ。「勝つこと」や一定の結果を得ることを求めている場合、エゴに思考パターンを支配されるのは簡単だが、これは危険なことかもしれない。
エゴにより自分の中に偏見が生まれ、自分の立場が正しく、自分の思考は明確だという確信がさらに強まる。たとえこれが、真実から程遠い場合でもだ。
しっかりとした論理的な頭で交渉することが大事で、これには心の知能指数(EQ)や、感情的な反応の引き金を管理することが必要となる。
エゴを抑えて論理的な考えに戻るには、会話の中に休憩や短い小休止を設けよう。処理するための時間を求めたり、相手に「はい」「いいえ」で答えられない質問を返したりすれば、戦略的な回答について考える時間が稼げる。
交渉は自分にも相手にとっても難しく、私たちは例外やニーズ、価値観、感情的な誘因、組織の人間関係などをうまく管理しようとして行き詰まることが多い。とはいえ、時期尚早に行動を取れば金や機会を失うことになる。
ここに挙げた戦略の実践には時間がかかる場合もある。そのためコープマンは、忍耐強く取り組み、自分に対する思いやりを失わないよう促している。
「こうした点の全てを考え過ぎる必要はない」とコープマン。「ただ挑戦し、失敗する必要がある場合もある。もしかしたら成功するかもしれない。そうでなければ、どこに到達することもできない」と語った。
(forbes.com 原文)