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2022.10.20 09:00

世界の新市場はこうして形成される! 「市場創生」5つのモデル

「フェアトレード認証」

「フェアトレード認証」

ルール主導型の市場形成は、主に5つのパターンに分類することができる。国内外の代表的な事例を引きながら、各市場においてルール形成が果たしうる役割とその効果を解説しよう。

1 GENERATE「創出」型


技術革新または規制改革を通じて従来不可能だったことが可能に



事例:免疫チェックポイント阻害薬市場(世界)



背景と経緯:従来の抗がん剤とは異なるメカニズムで働く革新的な薬剤市場創出のため、免疫チェックポイント阻害薬の研究開発を製薬各社が実施。2011年、米製薬大手ブリストル・マイヤーズ スクイブが「ヤーボイ」の開発に成功し、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得して上市、市場が成立。その後、小野薬品工業が開発した「オプジーボ」など他社も次々と新薬を上市し、市場が拡大していった。

免疫チェックポイント阻害薬の売り上げ(世界)


出典:特許庁、FDA、ブリストル・マイヤーズ スクイブ、小野薬品工業、メルク・アンド・カンパニー(米)、ロシュ、中外製薬、メルク(独)、アストラゼネカの公開情報を基にオウルズ作成

2 EXPAND「拡大」型


技術革新やマーケティングにより既存市場の客数または客単価を向上



事例:オンラインレッスン市場(国内)



背景と経緯:人工知能や機械学習の技術革新により教育現場のデジタル化が進み、スマートデバイスの導入が拡大。2020年3月にパンデミックが発生すると、遠隔学習のニーズが急激に高まり、オンラインレッスンの市場は急成長。競争が激化したことにより、低価格で便利な学習システムが普及した。遠隔学習は事業者・学習者双方にとってメリットが大きいため利用が定着し、学習市場全体が拡大している。

オンラインレッスン市場規模推移と予測(国内)


出典:矢野経済研究所

3 RECONSTRUCT「再構築」型


既存市場の一部を解体し、ビジネスモデル変革で新たな成長市場を再構築



事例:ライドシェアサービス市場(米ニューヨーク市)



背景と経緯:従来型のタクシー市場が飽和状態で、それ以上の市場拡大が見込まれないなか、UberやLyftといった安価で利便性の高いライドシェアアプリが上市。Uberを中心としたライドシェアサービス事業者は、ニューヨーク市タクシー&リムジン協会に働きかけ、新事業に資する規制環境を実現。2010年代後半に利用者が急増し、ライドシェアが成長をけん引するかたちで全体としてのタクシー市場が拡大。

タクシー・ライドシェア日次利用回数(米ニューヨーク市)


出典:ニューヨーク市タクシー&リムジン協会の公開データなどを基にオウルズ作成
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文=フォーブス ジャパン編集部

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