「透明を現す」というテーマで行われたコンテスト「DMM.make × Mimaki Clear 3D Print Contest」は、ミマキエンジニアリング社のUV硬化インクジェット方式フルカラー3Dプリンター「3DUJ-553」とピュアクリアインクを使って造形されている。受賞作品を見てみよう。
樋口義幸さん:ペンギ・バースとマンタ・ループ
最優秀賞は樋口義幸さんが制作した「ペンギ・バースとマンタ・ループ」。透明なゾートロープになっていて、回転させてスマホアプリを通して見ると、透明な中にプリントされたペンギンとマンタが泳いで見えるというものだ。「水の表現が秀逸」と評されている。
渡邉陽太郎さん:「晴れの日、 雨の日」 ドリンクカップ
そのほか、かわいらしい絵がプリントされ、奥と手前の絵が重なって立体的に楽しめる透明なコップ(渡邉陽太郎さん)や、窓から内装が見える「世界最小」という220分の1サイズのモノレールの模型(今津敬済さん)など、受賞作品は目を見張るものばかりだ。
今津敬済さん:世界最小のモノレール模型
ピュアクリアインクは、ほぼ無色であるため、ミマキのフルカラー3Dプリンター「3DUJ-553」を使うことで、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクと掛け合わせた色付きの透明表現も可能になる。そのため、アート作品ばかりでなく、医療用透明モデルやプロダクトデザインなどにも幅広く利用できる。
ピュアクリアインク「MH-110PCL」は、フルカラー3Dプリンター「3DUJ-553」のみの対応となっている。これらは業務用であるため個人で購入して使うという性質のものではない。おそらく、DMMなどの3Dプリントサービスを通じて利用できるようになるだろう。
文 = 金井哲夫