「米国の料理界のアカデミー賞」にも選出
Zero Foodprintが2020年頭にカリフォルニア州食料農業部(CDFA)およびカリフォルニア州大気資源局(CARB)と共に始めた「Restore」プロジェクトは、これまでで55万ドル(約7476万円)以上の助成金を農家に給付しました。同年位は「米国の料理界のアカデミー賞」とも言われるジェームズ・ビアード賞の「Humanitarian of the Year(年間最優秀人道支援賞)」にも選出されています。
ここで特筆すべきは、このプログラムの始まりとほぼ同時期に新型コロナウイルスの感染拡大が始まっていることです。2020年に全米レストラン教会が発表したデータによると、パンデミックによりアメリカのレストランの6分の1は閉店に追い込まれています。
ミントとレイボヴィッツが経営していた「Mission Chinese」のニューヨーク支店もまた、新型コロナウイルスの影響で閉店を余儀なくされました(サンフランシスコ店はフードデリバリーで生き残ったといいます)。
そうした影響にも関わらず農家への支援を広げたZero Foodprintの取り組みは、今後もさらに規模を大きくする可能性を秘めていると言えるでしょう。ミントは言います。「消費者や市民の大多数は気候変動対策を望んでいます。Zero Foodprintのプログラムはそれを可能にし、同時に地域のフードシステムをより強靭で豊かなものにするものなのです」
現在小規模なチェーン店や個人店がメンバーとなっているZero Foodprintですが、今後はシェイクシャックやチポトルといったファストフード店を巻き込んでいきたいとミントは考えています。そうした企業が参加してくれれば、これが次のニューノーマルなのだという証明になるからです。
「シェイクシャックやチポトルは大企業なので、自分たちで同じことをしようと思えばできてしまうでしょう。そうなれば素晴らしいことです。しかし、企業たちはまだその点まで至っていません」とミントは話します。
「General Millsのような一部の大手食品会社はすでに農家がリジェネレイティブアグリカルチャーに移行するための資金援助をしていますが、フードサービス業はそうした行動を起こしていません。だからこそ、これが次のトレンドになるべきだと思っています。これが慈善事業ではなく、食糧システムを変えるための行動だと示すのにも役立っていくでしょう」