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2022.10.30 09:00

売上の1%で地球を再生 米敏腕シェフが設立したZero Foodprintとは

Getty Images


Zero Foodprintはこの取り組みを、「農場から食卓へ(Farm To Table)」を逆流する「食卓から農場へ(Table To Farm)」の支援と呼んでいます。これは、ミントとレイボヴィッツが以前から感じていた限界を打破するものでした。
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The Perennialについて、ミントはこう振り返ります。「私たちは人々が楽観的な解決策に心躍らせ、『食のテスラ』のために列をなすと思ったんです」。しかし、余分なお金を払ってまで普段の食習慣から「食のテスラ」に乗り換える人は多くありませんでした。ならば、消費者が普段利用するファストフード店や有名なレストランがサステナブルな食システムのために売り上げの一部を提供するほうが、システム全体を変えるための”最善の選択肢”になるのではないかと、ふたりは考えたのです。

「1%」という数字の有効性


「Restore」プログラムが打ち出している1%という数字は、レストランというミクロな視点だけでなく、地球規模のマクロの視点で見ても理にかなうものだとZero Foodprintは書いています。例えば、2017年に世界22カ国の科学者たちが100の気候ソリューションを分析した「Project Drawdown」では、世界中でソリューションを実施した場合のコストを年間27テラドルと試算しました。これは、世界経済の約0.98%に相当します。

また、1%という数字は社会貢献の文脈でよく目にする数字でもあります。パタゴニアの創業者らが始めた「1% for the Planet」や、Salesforceの創業者マーク・ベニオフの「Pledge 1%」、日本では経団連による「1%クラブ」など、「1%を社会や環境に貢献する活動に使う」という試みはこれまでも続けられてきました。
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さらに、1%という数字は消費者の心理的な障壁が少ないのだとミントは言います。Zero Foodprintのプログラムに参加しているレストランは、Restoreプロジェクトのために料金を1%上乗せして提示することになります。このとき、客にはこの1%の追加料金を拒否するという選択肢もありますが、そうした追加の料金を消費者はさほど気にしないというのがミントの考えです。

「社会学や行動経済学の多くの研究では、オプションをわざわざ選ぶ人も少ない一方、最初からついていたオプションをわざわざ外す人も少ないということがわかっています。みなデフォルトの選択肢を選ぶのです。例えばビールに5セントの税金がついていたとして、それを理由にビールを飲まない人はいない、ということと似ていると思います」
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文=GRAZE GATHERING MAGAZINE

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