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2022.10.30 09:00

売上の1%で地球を再生 米敏腕シェフが設立したZero Foodprintとは

Getty Images

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1パーセントあれば地球を再生できる(All it takes is 1% to Restore the Planet)──これが、食のサステナビリティに取り組むアメリカの非営利団体「Zero Foodprint」の合言葉です。

「レストランが排出する炭素を相殺(オフセット)するために必要な資金は、平均して売り上げの1パーセントである」という独自の調査から生まれたこの言葉を旗印に、Zero Foodprintは「Restore」と呼ばれる環境再生プログラムを運営しています。

これは、レストランが売り上げの1パーセントをZero Foodprintに送り、Zero Foodprintはその資金を農家がリジェネレイティブアグリカルチャー(環境再生型農業)に切り替えるための援助にあてるというものです。

現在同社のプログラムに参加しているレストランやフードビジネスは100近くにのぼり、さらに30以上の店舗が現在参加に向けて動いています。こうしたレストランからの資金やその他の援助などで集まった資金を使い、Zero Foodprintは2020年から現在までに31軒の農家に、55万ドル(約7476万円)以上の助成金を給付してきたといいます。

(「Restore」プログラムはカーボンオフセットのプログラムではありません。それぞれのレストランが排出する正確な炭素排出量を測り、それと同額の炭素クレジットを購入しているわけではないからです。ただし、Zero Foodprintは希望するレストランに第三者機関による監査とカーボンクレジットの購入も提供しています)

Zero Foodprintのプログラムの参加企業で、ニューヨークにあるイベント会場Glynwood Eventのイベントマネージャーであるアシュリー・レイサムは、「私たちはすでにサステナブルな取り組みを行なっていますが、Zero Foodprintとの提携などによってさらなる改善を図っています」と話します。

Glynwood Eventの利用目的のひとつである結婚式は概して多くの廃棄物を生むので、環境に配慮した同社の取り組みは利用者からの関心も高いといいます。「お客様は環境に対して深い配慮を見せています。結婚式はふたりの人生の始まりを祝うイベントであり、だからこそ責任をもって行ないたいと考えているのです」
次ページ > Zero Foodprintの創設までの道のり

文=GRAZE GATHERING MAGAZINE

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