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2022.10.20

元メタの開発者が作った注目の暗号通貨「アプトス」が取引開始

CryptoBucks / Shutterstock.com

低迷が続く暗号通貨市場に、業界関係者が「Solanaキラー」と期待する評価額20億ドルのプロジェクトの「Aptos(アプトス)」がデビューした。

Aptosは、元メタ(旧フェイスブック)の社員のモー・シャイフ(Mo Shaikh)とエイブリー・チン(Avery Ching)らが作った新たなブロックチェーンと暗号通貨で、彼らはフェイスブックが発行を断念した暗号通貨Diem(旧リブラ)に触発されて、新たなデジタル通貨を生み出した。

Aptosの開発元のAptos Labsは10月18日、コインベースやバイナンス、FTXグローバルらが暗号通貨Aptosの取り扱いを開始すると発表した。

「当社は、安全でスケーラブルでアップグレード可能なブロックチェーンを通じて、分散型アプリケーションへのアクセスを提供していく」と、Aptosの開発者はブログで述べている。

Aptosは、フェイスブックのDiemと同じプログラミング言語を使用して、取引コストを下げ、トランザクション速度を上げるように設計されており、NFTやDAO(分散型自律組織)、DeFi(分散型金融)での利用を通じ、Web3の本拠地になることを目指している。

イーサリアムは先日、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へのアップグレードを行ったが、高いコストとトランザクションの遅さに苦しみ続けており、Solanaも多くのネットワーク障害に見舞われている。

PoSのブロックチェーンであるAptosは、1秒間に16万件のトランザクションを処理できると主張しているが、Solanaの1秒間の処理件数は6万5000件で、イーサリアムの場合はわずか30件とされている。しかし、18日に始動したAptosのネットワークの処理件数は、1秒あたりわずか4件だったとコインテレグラフが報じ、一部のユーザーはトランザクションを送信できないと述べている。

これに対し、Aptosの公式ツイッターアカウントは「我々のネットワークは期待通りのパフォーマンスを発揮しており、プロジェクトが軌道に乗るにつれて活動が活発化する。4件という処理件数は、システムトランザクションであり、ユーザーのトランザクションはまだ含まれていない」と述べている。

Aptosのプロジェクトは、3月にアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)が主導した資金調達ラウンドで、評価額10億ドルで2億ドル(約298億円)を調達した。このラウンドには、タイガー・グローバルやFTXベンチャー、コインベース・ベンチャー、バイナンスラボなどの投資家が参加していた。

Aptosはまた、7月にFTXベンチャーとJump Cryptoらが主導したシリーズAで、評価額20億ドルで1億5000万ドルを調達していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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