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2022.10.21 08:15

25歳で塾を起業した元医師、広告費ゼロでも「成功」の理由


「ユーザーファーストの記事」は、どのように生まれるのか。中原氏はまず検索ワードを丁寧に分析することから始める。自分のブログに辿り着いた人が、どのような単語で検索したのかを把握するのだ。

「検索ワードと、その検索ワードに関連する他の関連ワードも見て、読者の悩みを具体的に想像していきます。その悩みに応えるべく、最新情報や関連情報を交えて書いていきます」

たとえば、検索ワードが「九州大学 英検」だった場合。記事では「英検が入試で使えるかどうか」だけでなく、「英検を勉強することで九州大学の受験にはどう役立つか」、さらに「実際に英検を取った、九州大学を目指す生徒の体験談」なども盛り込んでいく。

中原氏は、次から次へと切り口を変えて、記事を書き続けているわけではない。「九州大学 勉強法」といった、定番の100本あまりの記事を日々更新し続けているのだ。ただし、記事の文字数は、1記事あたり5000字を超える。本数ではなく、1本あたりの情報の鮮度と内容を重視しているからだ。

「ブログには毎日、2時間かけています。この2時間には、過去問の分析などは一切含まれません。あくまで検索ワードの分析と記事の執筆だけに費やす時間です」

間接的な教え子を増やしたい


ブログの執筆を支えているのは、中原氏の高い専門性と、ラ・サール高校在学中の勉強経験を活かした、独自の指導法だ。

「下関の公立中学からラ・サールに入学して痛感したのは、地方と東京などの都市部の学習環境の格差でした。優秀で信頼できる指導者、切磋琢磨してお互いを高め合う良きライバル、難関大学に合格できるカリキュラム。ラ・サール高校と同じレベルの学習環境が、東京の進学校に通う生徒にとっては当たり前なのかと愕然としました」

福岡でもラ・サール高校や東京の進学校のような環境を、「当たり前のもの」として提供しするため、竜文会ではすべての授業を中原氏が担当している。生徒一人ひとりに合わせた学習プランも、すべて中原氏が作成。過去問などの研究にも余念がない。

地方で学ぶ生徒の悩みに直に接し、入試の最新事情にも精通するからこそ、熱量の高いブログ記事を日々、執筆できるのだろう。

「最終的な目標は、このブログを読んだだけで九州大学に合格できるようにすることです。自分1人で指導できる人数は限られます。けれど、ブログで情報発信を続けることで『間接的な教え子』を増やすことができると思い、日々ブログを更新しています」

文=下矢一良

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