経済・社会

2022.10.22 11:00

国内最大級のプラスチックリサイクル工場 本格稼働開始

プラニック公式HP(https://planic.jp/)より

プラニック公式HP(https://planic.jp/)より

プラニックは10月11日、国内最大級のプラスチックリサイクル工場*(同社発表)となる御前崎工場の本格稼働を開始した。

同社は、リサイクルプラスチック製造事業会社として、自動車や家電製品由来、家庭で使用される製品が混在したプラスチック(ミックスプラスチック)を原料とし、再び自動車部品や家電製品の原材料に使用可能なリサイクル原料を製造する。

これまで、自動車由来のミックスプラスチックは、材質ごとの選別が困難なことからマテリアルリサイクルされず、焼却処分(熱回収)されてきた。特に、自動車や家電に多く使われている黒色プラスチックの選別は困難とされてきたが、ヨーロッパで実用化された国内初導入の軽液選別技術を活用し、PP、PSの選別を実現。選別精度も高い。

加えて、ポリプロピレンの品質と強度を向上、また自動車の厳しい品質基準をクリアすることで、いわゆるCar to Carリサイクル本格化に向けた動きを支援することが期待される。

同工場では、年間約4万トンの廃プラスチックを受け入れ、約3.2万トンのリサイクル原料の生産を目標とする。受け入れ量(目標)の内訳を、ASRミックスプラ1.5万トン、家電ミックスプラ1.5万トン、製品プラ1万トンと発表。

生産量(目標)内訳は、PP(ポリプロピレン)ペレット2.5万トン、PS(ポリスチレン)/ABSフレーク0.7万トンの合計3.2万トン、残渣物は0.8トン。なお、同工場のエネルギー源として再エネの活用には至っていないが、今後導入を検討していくという。

ヴェオリア・ジャパン・豊田通商・小島産業のジョイントベンチャー


プラニックは、ヴェオリア・ジャパン、豊田通商、小島産業のジョイントベンチャーとして2018年12月に設立。それぞれの強みを生かすことで、シナジーを生み出し、株主として事業を支えるとしている。

ヴェオリア・ジャパン


総合環境サービスのグローバル企業として、エンジニアリングマネジメントとプラントオペレーションサポートおよび自治体からの原料調達

豊田通商


モノづくりに関わる商社として、使用済み自動車および家電由来の原料調達と製品樹脂の販売サポート

小島産業


自動車部品製造会社として、樹脂コンパウンドおよび自動車用部品を生産技術面からサポート

*単一工場での年間コンパウンドペレット生産量


※この記事は、2022年10月にリリースされたCircular Economy Hubからの転載です。

文=Circular Economy Hub Editorial Team

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