中国は今年もまた、インターネットの自由度が世界で最も低い国に選ばれた。2022年の北京オリンピックで検閲が強化され、テクノロジー分野への統制が強化され、中国共産党のイデオロギーを促進することを義務付ける新しいルールが導入された。
しかし、インターネットの自由度が最も低下したのはロシアで、政府はウクライナ侵攻後に、国内の反対勢力を抑圧し、独立系メディアの口を封じる姿勢を強めている。
「ロシア政府は、信頼できる報道を抑制し、戦争反対のデモを鎮圧するために海外のSNSへのアクセスを制限し、5000以上のウェブサイトをブロックする強硬な法律を可決した」と、フリーダムハウスのリサーチディレクターで、「ネット上の自由(Freedom on the Net)」の共著者のアリー・ファンクは述べている。
さらに、ミャンマーやスーダン、リビアでもネットの自由度が著しく低下していることが示された。また、政府が承認したコンテンツしか見られない人々が増加しており、調査対象の70カ国のうち47カ国で当局が、国外の情報源へのアクセスを制限しているという。
しかし、ガンビアとジンバブエを筆頭に、26カ国でネットの自由度に改善が見られている。
米国では、6年ぶりにネットの自由度がごくわずかだが改善され、デモにおける監視活動やオンライン・ハラスメントの報告件数が前年に比べて減少した。米国は現在、オーストラリア、フランス、日本と並んでネットの自由度で世界9位にランクインしている。
本年度のランキングの首位はアイスランドで2位はエストニア、3位はコスタリカだった。
「バイデン大統領は、ネットの自由の促進を外交政策の最優先課題に位置づけ、国務省にサイバースペース・デジタル政策局を新設し、デジタル民主化プログラムに投資を行っている」とファンクは述べた。
しかし、こうした努力は、米国内のオンライン人権保護の進展につながっていない。米国の政府機関は、ほとんど制限を受けずに市民を監視可能で、データブローカーからアメリカ人のデータを簡単に購入することができる。
「米国のインターネットは、偽の情報や陰謀論、オンライン・ハラスメントなどで満ちており、ネット上での選挙否定論の蔓延は、民主主義に対する国民の信頼を損なっている」とファンクは付け加えた。
本年度のインターネットの自由度ランキングの詳細は、下記から確認できる。
https://freedomhouse.org/countries/freedom-net/scores
(forbes.com 原文)