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2022.10.22

ワインとヨガを組み合わせた米国発「マインドフルワイン」が仏、伊でも人気

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「マインドフルワインテイスティング」テクニックの商標を持つシャノンは「ワインを目で見る、香りを嗅ぐ、味わう、見極める」という4つのステップを踏むと説明する。「その目的は、立ち止まってリラックスし、ワインを味わうことで他にどんな気づきがあるのかを知ること。ワインはこの体験のためのすばらしい器であり、マインドフルネスのコンセプトは食べ物や人などをきっかけに立ち止まってその瞬間にいることに注意を払うというもので、生活の他の部分にも転用することができる」と話す。

ワインテイスティングでは通常、数種類のワインを試飲し、その後、参加者はワイナリーを楽しみ、おそらくワインメーカーにも会って、より長い時間を過ごすように勧められる。ワイナリーにとっては訪問者にユニークな体験を提供でき、ワインの売り上げも伸びるというメリットがある。

ヨガとワインの体験が欧州に進出


インターネットで検索するとフランス、イタリア、その他の欧州地域で最近始まったワインとヨガの隠れ家のリストがすぐに見つかる。「ヨガとワインを組み合わせるコンセプトはカリフォルニアで始まり、その後フランスに伝わったと思う」とフランスのディジョンにあるワイン&スピリッツビジネスの学校のワインツーリズムの准教授であるローレンス・コガンマリーは指摘する。

自身もヨガの熱心なファンであるコガンマリーは、フランス各地のヨガ隠れ家を頻繁に訪れ、ヨガやマインドフルネスとワインを組み合わせることが人気のトレンドになっていることを発見した。「以前はヨガをしてワインを飲むことはできいと思われていたが、フランスでは今、それが変わりつつある」と話す。

コガンマリーはシャンパーニュ、ボルドー、ドルドーニュ、パリ、南仏で、ヨガとワインを体験できるいくつかのワイナリーと健康をテーマにした隠れ家のリストを提供し、そこでの流れを説明している。「通常、まずブドウ園やワイナリーでヨガを行い、瞑想やリラックスして感覚を目覚めさせ、目を閉じてワインをマインドフルに味わう。その結果、ワインの香りや味、舌触りなど、よりワインに感謝できるようになる。ゆっくりと人生を楽しむ」

フランスでは毎日適度にワインを飲むことは健康に良いという考え方があるとコガンマリーは説明する。「ワインはフランス文化の一部。だからリゾートホテルやスパでは夕食にワインが出される」と話す。
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翻訳=溝口慈子

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