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2022.10.18 08:30

東南アジアの後払いフィンテック「Kredivo」運営元がユニコーンに

Kredivo(Shutterstock)

インドネシアのBNPL(後払い決済)プラットフォーム「Kredivo」の親会社で、シンガポール本拠の「FinAccel」は、シリーズDラウンドで1億4000万ドル(約208億円)を調達し、同国で最新のユニコーンとなった。

FinAccelは、数カ月前にSPAC合併によるIPOを計画していたが、市場環境の悪化により中止していた。

調査会社VentureCap Insightsのデータによると、今回のラウンドは既存株主のMirae Assetが主導し、Cathay InnovationやEndeavor Catalyst、GMO Global Payment、Jungle Ventures、Open Space Ventures、Square Pegが参加した。

FinAccelの評価額は16億6000万ドルと、2019年の前回ラウンドでの評価額4億5100万ドルから3倍以上に拡大した。

FinAccelは、シカゴ本拠の投資会社「Victory Park Capital」がスポンサーを務めるSPACとの合併で評価額25億ドルで上場を目指していた。しかし、市場のボラティリティが激しく、インフレ率が高騰し、世界不況のリスクが高まる中で、同社はその計画を見送った。調査会社CB Insightsのデータによると、グローバルのVC投資額は、第3四半期に745億ドルに減少し、過去9四半期で最低の水準となった。これは、直近3カ月と比較して34%低い金額だ。

FinAccelは、2015年にインド人起業家のAkshay Gargらによって設立された。同社は翌年、活況を見せるインドネシアの消費者信用市場に参入するため、Kredivoを設立した。パンデミックはKredivoにとって追い風となり、口座数は2018年末に50万、その1年後に120万、2020年末には220万となり、昨年はほぼ倍増した。

Gargは、今年2月に行われたフォーブス・アジアのインタビューで、Kredivoを東南アジア全域に拡大させ、EC向けBNPL以外にも提供サービスを広げていきたいと述べた。その実現のため、Kredivoは昨年インドネシアの小規模銀行の株式を40%を取得し、従来は大手銀行しか提供していなかったサービスを提供できるようにした。

「現状でKredivoと言えばECや個人向けローン、そしてオフラインでの買い物を連想するだろうが、将来はバイクや自動車のローン、クレジットカードを連想してもらえるようにしたい」とGargは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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