メインストリーム化が進行中
一方、暗号通貨は普及が進んでおり、金融システム内でメインストリーム化しつつある。米国で初めてビットコイン先物連動型上場投資信託(ETF)が上場してから1年が過ぎた。ビットコインは現在、退職金積立口座 401(k)の一環として投資することができる。
また、2022年夏には、資産運用大手ブラックロックがコインベースと提携し、機関投資家向けに仮想通貨への投資手段を提供し始めた。つまり、暗号通貨が金融システムのメインストリームへと受け入れられつつあり、それに伴って規制が導入される状況が続いているのだ。
ということで、暗号通貨が最終的に価値保存手段になる可能性はある。とはいえ今のところ、ビットコインとイーサリアムは、かなりリスキー資産のような動きをしている。たとえば、この記事の執筆段階では、テック系のNASDAQ指数が年初から40%も下落しているが、これは、停滞中のビットコインならびにイーサリアムとさほど違いはない。
しかし、価値が急落したことは必ずしも、そうした資産を捨てる理由にはならない。ここ10年で少なくとも4回は、似たような状況が起きている。それどころか、暗号通貨はいま、以前よりも金融システムならびに投資システムに深く関与するようになった。
さらに、暗号通貨は多様なリターン・ストリームを提供し続けている。たとえば、2022年6月以降は、株や債権は総じて売られている。その一方で暗号通貨は、2022年はじめに大暴落したとはいえ、株や債権と比べればいくぶんか安定している。
最後に、もちろんのことだが、ビットコインとイーサリアムは、誕生以来、長期的に見てその価値が驚くほどの上昇を示してきた。2022年は期待外れとなるかもしれないが、暗号資産の歴史でこれまで見られてきた高いボラティリティからすれば、大きな変化というわけではないのだ。
(forbes.com 原文)