ビジネス

2022.10.23

米レストラン大手チポトレ 業務改善にAI技術をさらに試験

Getty Images


業務改善のためAI技術を検討しているチェーンはチポトレだけではない。ハンバーガー店舗を展開するホワイト・キャッスル(White Castle)は、ミソ・テクノロジーの「フリッピー(Flippy)」を2年ほどキッチンで試験しているし、スムージーを提供するジャンバ(Jamba)は食品準備の自律プラットフォームを提供するブレンディッド(Blendid)と提携した。

また、アップルビーズ(Applebee’s)やアイホップ(IHOP)、トロピカル・スムージー・カフェ(Tropical Smoothie Cafe)などのレストランチェーンではフライバイが活用されている。

とはいえ、チポトレの規模や自社所有の事業モデル、負債のない賃借対照表は、このトレンドに少し興味深い要素を加えるものだ。同社ではフランチャイズ店側の投資や抵抗がなく、割と自由に新たなソリューションを試験導入できる。

同社で投資に対する利益が証明されれば、労働力不足にいまだに苦しむこの業界全体で、こうした技術を採用するための説得力ある実例となる可能性が高い。

チポトレは今回の発表前、初期投資のため戦略的に一致する企業を特定するべく作られた「カルティベート・ネクスト(Cultivate Next)」のベンチャー基金を立ち上げている。チポトレは約5000万ドル(約74億円)の基金の一部として、キッチンでの作業を自動化するフードサービス基盤ハイフン(Hyphen)と、植物由来のタンパク質を提供するミーティ・フーズ(Meati Foods)に既に投資している。

チポトレはまた、新たなスケジュール管理ツールを活用したり、自律配送企業ニューロ(Nuro)に投資を行ったり、店舗内の材料を追跡するため無線自動識別(RFID)を試験したりしている。

ガーナーは最近の発表で、同社は従業員や客の体験を向上させ「レストラン業界に革命をもたらす可能性が高い」イノベーションへの投資を模索していると発言した。ガーナーは「意義のある変化を大規模にけん引しようとしている先見性のある事業に投資することで、チポトレの野心的な成長計画の進捗が加速するだろう」と述べている。

チポトレは現在約3000店舗を抱え、今後はそれを7000店舗ほどまで増やす計画だ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=出田静

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