空間オーディオとも呼ばれるSpatial Audioは、ドルビーアトモスをサポートし、Apple Musicを通じて提供されるが、アップルはこのフォーマットの提供範囲を車の中に広げるとアナウンスした。
Spatial Audioはこれまで、iPhoneやiPad、Mac、Apple TVで利用可能だったが、車載オーディオシステムで聴くことはできなかった。
アップルは10月16日、パリモーターショーでメルセデス・ベンツの一部の車種でSpatial Audioがサポートされると発表した。第一弾の対応車種は、最新のメルセデス・マイバッハやEQS、EQS SUV、EQE、Sクラスなどで、今後はさらに多くのモデルが追加されるという。
Apple MusicとBeatsの担当副社長のOliver Schusserは、「Apple Musicにとって音質は非常に重要だ。当社はメルセデス・ベンツと協力して、Spatial Audioを初めて車内でネイティブに利用できるようにすることができ、とてもうれしく思っている。このフォーマットは、アーティストが音楽を創り、ファンがそれを楽しむ方法を大きく変えるものであり、言葉では説明できないエクスペリエンスだ。今回の提携で、完全に没入可能なオーディオを顧客に届ける機会がさらに増えた」と述べている。
Spatial Audioに対応するメルセデス・ベンツは、もともと値が張るものだが、実際に機能させるためには、ポルシェのカイエンなどが採用しているサウンドシステムのBurmester 3Dか4Dを搭載する必要がある。
これらのサウンドシステムの価格は4550ドル以上で、Spatial Audioを楽しむためにはそれなりの出費が必要になる。しかし、このような出費を惜しまない人にとって、月額9.99ドルのApple Musicのサブスクリプション費用は取るに足りないものかもしれない。
(forbes.com 原文)