スウィーニーは、マスクが所有するプライベートジェットの運航状況を追跡するツイッターアカウント「@elonjet」を立ち上げ、50万人近くのフォロワーを集めた。マスクからは、追跡をやめれば金を払うと持ち掛けられたが、応じなかった。ただ今後、マスクが自身のジェット機にスウィーニーを搭乗させ、その様子を撮影することを許せば、和解に至る可能性もある。
スウィーニーは意外にも、プライベートジェットに乗った経験はない。有名人のジェット機に限らず、あらゆる飛行機に強い関心があるだけだという。筆者はスウィーニーを取材し、セレブやロシアのオリガルヒ(新興財閥)などのプライベートジェットを追跡する人気ツイッターアカウント「@CelebJets」について話を聞いた。
スウィーニーの航空機追跡は、米連邦政府の規制を受ける全航空機の位置情報が公開されている「ADS-B Exchange」や「OpenSky Network」などのウェブサイトから得たデータのユニークコードを書き出すことから始まった。世界の富豪が搭乗するフライトを監視する企業グラウンド・コントロール(Ground Control)を立ち上げており、今後より詳細な情報を提供するウェブサイトを開設する予定だ。
また、航空機運航に対するカーボンオフセット(炭素相殺)認証を提供する企業オフセットフォージェッツ(Offset4Jets)にも熱意を燃やしている。大富豪のジェフ・ベゾスやビル・ゲイツらは、自身のジェットが生む炭素排出量を相殺することを誓約。こうしたジェット機所有者は、大気中から二酸化炭素を除去する施設を運営する会社からクレジットを購入することでカーボンオフセットができる。
「これは最終的に、大気中の温室効果ガスを減らす環境プロジェクトへの資金提供を通じて炭素排出量のバランスを取ることにつながる。1カーボンオフセットクレジットは、二酸化炭素やその他の温室効果ガス1トン分の大気中からの除去に相当するとされる」とスウィーニーは語った。