昨年11月に、ビットコインは6万9000ドルの高値をつけ、NFTやWeb3プロジェクトに莫大な資金が流入したことで、2022年はクリプトの年になるはずだった。
しかし、このセクターは急降下しているのが現状だ。ステーブルコインのTerraやヘッジファンドのThree Arrows Capital、レンディングサービスのCelsius NetworkやVoyager Digitalなどの著名なプロジェクトの破綻が、業界を揺るがしている。さらに、インフレや金利の上昇、市場全体の暴落が投資家の意欲を減退させている。
そのような状況下でも、暗号通貨取引所FTX創業者のサム・バンクマン・フリード(資産172億ドル)と、彼の右腕のゲイリー・ワン(同46億ドル)の2人は、今年のフォーブス400でそれぞれ41位と227位にランクインした。また、リップルの創業者のクリス・ラーセンも資産28億ドルで380位につけている。さらに、コインベースCEOのブライアン・アームストロングも資産27億ドルで388位にランクインした。
ここでは、本年度のフォーブス400から脱落した3組のビリオネアたちの近況を紹介したい。彼らの保有資産は9月2日時点の暗号通貨や株式の価値をベースに算出したものだ。
ウィンクルボス兄弟
各人の保有資産:22億ドル(昨年は43億ドル)
マーク・ザッカーバーグを訴え、和解金をビットコインにつぎ込んだことで有名な双子の兄弟、キャメロン・ウィンクルボスとタイラー・ウィンクルボスらは、ビットコインやイーサの価値が暴落したことで、それぞれ約20億ドルの資産を失った。
2人が運営する取引所Geminiの取引ボリュームは、2021年後半から推定50%減少しており、今年6月には従業員の10%を解雇した。さらに、米商品先物取引委員会(CFTC)は、Geminiがビットコインの先物取引で「虚偽または誤解を招く記述」を行ったとして提訴したが、彼らは不正を否定している。
ウィンクルボス兄弟は、そのような疑惑を気にかける様子もなく、今年の夏にはロックバンドMars Junctionの全米ツアーを行い、小さなクラブで演奏したとニューヨーク・タイムズ(NYT)は報じた。