インディーズコミュニティとの絆
「他の多くのサービスはオーディオブックを強化しており、実体はオーディオ商品のサブスクリプションだと言える。それに対し、我々は音楽が全てであり、アーティストがユーザー体験の中心にある」とヴィサポラスは話す。また、ナップスターはアグリゲーターを通さず、全ての独立系レーベルと直接ライセンス契約を結んでいる唯一のサービスであり、これは同社が20年間に渡ってインディーズコミュニティーと信頼関係を築いてきた成果だという。
「アーティストたちが我々のデータを活用し、リアルイベントやデジタル体験を通じてコミュニティを活性化できるようにしたい。今後数ヶ月で、アーティストをはじめ、様々なパートナーとの提携を発表する予定だ。これまでのストリーミングサービスにはなかった、ライブ業界との連携が見られるだろう」とヴィサポラスは話す。
ナップスターは、メタバース展開をより掘り下げることを目的に「ナップスターベンチャーズ(Napster Ventures)」を立ち上げ、Web3音楽スタートアップの育成や投資、買収を行う予定だ。Algorandも、ナップスターと共同でアーティスト・デベロップメントファンドを立ち上げ、Web3アーティストプロジェクトのマーケティングと立ち上げを支援する予定だ。
「ナップスターがWeb3音楽エコシステムの中心的存在になることに興奮している。これまでに起きた素晴らしい技術革新を集結させ、音楽業界におけるWeb3技術の普及を皆で推進できることを楽しみにしている」と、Hivemindの創業者兼マネージングディレクターであるMatt Zhangは述べた。
ヴィサポラスは、過去30年に渡って音楽やゲーム、エンターテインメントの分野でビジョナリーリーダーとして活躍してきた。DJとしてキャリアをスタートした彼は、90年代後半にBMGとBertelsmannに在籍し、初期のナップスターに携わるなど、デジタル分野の施策や投資を主導した。その後、AT&Tワイヤレスや制作会社Endemolで重役を歴任し、EndemolではDigital and Branded Entertainment部門の責任者を務めた。
(forbes.com 原文)