「熱感知技術」で自動ブレーキシステムが飛躍的に向上、夜間の機能低下を改善

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毎年約8000人の歩行者が米国の路上で亡くなっている。米国道路安全保険協会(IIHS)による。 自動緊急ブレーキシステム(AEB)と呼ばれる技術は、歩行者などの障害物を検出し、衝突が必至で、運転者が行動を起こしそうにない場合に、車両を停止させるように設計されている。

米国の歩行者安全月間である今月、IIHSの幹部が現在使われているAEBシステムの多くが、歩行者が最も危険に晒される可能性の高い条件で、十分な働きをしていないと警告している。しかし、ある会社は自分たちには解決策があると信じている。

「歩行者や他の車両を日中に検知するシステムは大きく進歩していますが、残念ながら(年間)死亡事故の約4分の3は夜間に起きています。システムは夜間にうまく作動していません」とIIHSのアクティブセーフティテスティング担当責任者のデビッド・エイラーはいう。

実際、J.D. Powerが10月11日に発表した先進運転支援システム(ADAS)に関する調査結果は、ADASは業界全体の問題の13%を占め、事故率は自動車100台中23.1件(23.1 PP100)であると報告した。

車線逸脱警報/車線逸脱防止支援、および前方衝突警告/自動緊急ブレーキ機能が全機能の中最大の問題であり、事故率はそれぞれ6.3 PP100、4.6 PP100だった。

2022年8月、IIHSは初めての夜間AEBテストの結果を発表し、ほとんどのAEBシステムが夜間に満足な性能を発揮していないことを明らかにした。テストした乗用車、SUV(スポーツ用多目的車)、および小型ピックアップ計23台のうち、4台が最高評価の「superior(優秀)」を獲得したが、半数以下は「basic(可)」あるいは「no credit(評価に値せず)」だった。



最高性能を発揮した4車種は、2022年型Ford Mustang Mach-E(フォード・マスタング マッハE)、Nissan Pathfinder(日産・パスファインダー)、Toyota Camry(トヨタ・カムリ)およびToyota Highlander(トヨタ ハイランダー)だった。「no credit」を付けられたのは、2022年型Chevrolet Malibu(シボレー・マリブ)、Honda Pilot(ホンダ・パイロット)、Nissan Altima(日産・アルティマ)、およびToyota Tacoma crew cab(トヨタ・タコマ クルーキャブ)だった。
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翻訳=高橋信夫

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