ここでとりあげるのは、2代目。2021年11月に登場したモデルである。エンジン車、ハイブリッド車、そしてレクサス初のプラグインハイブリッド車という。ドライブトレインの豊富さは、一般的なマーケティング用語を使えば“市場の多様性”に対応するため。とはいえ、これだけ種類の多いドライブトレインを使いながら、操縦性において統一性のある“NXの味”をつくるのは、相当大変なことである。レクサスの力に感心した。
もうひとつ、私が感心したのは、走りのよさ。ドライバーの意図に忠実でリニアな応答性を追求している。これがNXの味なのだと、試乗してみて納得した。「あらゆる走行シーンで減速、操舵、加速がシームレスに繋がる気持ち良さ」というのが、レクサスによる定義。
こんな走りのよさをもったモデルを指す言葉として、レクサスでは「次世代レクサス」なる言葉を使う。具体的には、22年1月発売の新型「LX」。さらに新型「RX」やレクサス初の電気自動車専用モデル新型「RZ」などが続くはず。
NX350hは、レクサスが得意としてきた2.5リッター4気筒エンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステム搭載。前輪駆動か、後輪も駆動する全輪駆動が選べる。駆動力配分によって気持ちよいコーナリングを実現するとともに、(ちょっとマニアックですが)ロードホイールとホイールハブとの締結を欧州車のようなハブボルト方式に。走りのために重要と、開発者が信じた方策が講じられている。
自分たちが信じていることをやっている。そう主張できることこそ、ブランドにとって、いま最も誇るべき態度だろう。
LEXUS NX350h “version L”
ボディ外寸:全長×全幅×全高=4660mm×1865mm×1660mm
パワートレイン:2487L 直列4気筒 ハイブリッド
最高出力:140kW(190PS)最大トルク243N・m
価 格:6080000円(車両本体価格)
レクサス・デザインアワード2022グランプリはリハビリ支援ツール
レクサス・インターナショナルの活動として注目すべきは、クルマだけではない。
例えば、東京やドバイで展開する「Intersect by Lexus」は質の高いカフェレストランとしてとても快適。
もうひとつ忘れてはならないのが「レクサス・デザインアワード」だ。「よりよい未来を形成する力をもった作品を制作するデザイナーやクリエイターを支援する」(レクサス)ことを目的として、2013年に創設され、毎年春のミラ
ノデザインウィークを舞台に、グランプリが発表される。
2022年は、1726に及ぶ応募があり、各界で活躍する審査員が選んだのは、シンガポールのポー・ユン・ルー氏(写真右上)の「Rewind」。デジタルデバイスとコンピュータ画面を使い、認知症高齢者の記憶を呼び起こすリハビリテーション支援ツールだ。
ポー・ユン・ルー氏
「Rewind」