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2022.10.15

バフェットの保有資産、オマハの「自宅」のおかげで増加が確実に?

ウォーレン・バフェット(Getty Images)

不動産鑑定・市場調査が専門の米ヴェロス(Veros)が発表した調査結果によると、著名投資家ウォーレン・バフェットの自宅があるネブラスカ州オマハのファーナム・ストリートは、全米で最も人気が高いロケーションのひとつだという。

住宅価格の推移を予測する同社によれば、ネブラスカ州の最大都市であるオマハの住宅価格は、今年9月からの1年間で約6.4%上昇する見込み。値上がり幅は、全米で3番目に大きくなると予想されるという。

ただ、仮にバフェットが南西に1時間ほど離れたリンカーンに自宅を所有していたとすれば、保有資産はさらに増加することになっていたとみられる。ネブラスカ大学があるリンカーンは、12カ月の不動産価値の上昇率が、ほかのどの都市より高い7.2%になると見込まれている。

一方、このランキングの2位につけたのは、中西部の都市以外で唯一トップ5に入ったバージニア州リッチモンド。6.9%の値上がりが良そうされている。その後に続くのは、インディアナ州のインディアナポリス(約6.4%)、カンザス州ウィチタ(約6.4%)となっている。

ネブラスカ州の都市が上位に入ったのは、住宅ローン金利の上昇が影響している。不動産情報サイトのジロウ(Zillow)によると、リンカーンにある一般的な住宅の価格は、およそ26万5000ドル(約3900万円)。全米平均より約25%安くなっている。これは、30年固定住宅ローン金利がおよそ7%となる中、買い控えが起き始めても、この地域の不動産市場が影響を受けにくいことを意味する。

ヴェロス・リアルエステート・ソリューションズ(Veros Real Estate Solutions)のチーフエコノミスト、エリック・フォックスはこれについて、次のように述べている。

「借り入れた金額が10万ドルなら、住宅ローン金利が3%から6%に上昇しても、月々の返済額は178ドル増える程度だ。それほど大きな負担の増加といということにはならない」

「だが、50万ドル借りていれば、毎月の返済額は890ドル増える」

魅力ある「田舎町」


オマハの不動産仲介業者、バークシャー・ハサウェイ・ホーム・サービシズ・アンバサダー(Berkshire Hathaway Home Services Ambassador)のターシャ・モスは、バフェットの故郷に対して多くの人が感じる魅力は、その“小さな町”の雰囲気だという。

オマハに長く住む人たちは、誰もが地元を「大きな田舎町」と呼ぶのだとして、「すてきなレストランがあり、多様性があるポケット・ネイバーフッド(住人たちの結びつきが強くなるよう工夫された計画都市)です。同時に、人々を引きつけるような田舎町の雰囲気もあります」と語っている。

その田舎町の不動産の価値に関する予測は、“オマハの賢人”にとってはどのような意味を持つのだろうか?

ジロウのデータに基づいて割り出した現在のバフェットの自宅の価値と、ヴェロスが示した予測からみて、バフェットは今後およそ1年の間に、保有する資産を約8万ドル増やすことになるとみられる。つまり、バフェットがマクドナルドで毎日買っている朝食の代金は、その増加分であと50年分ほど賄えそうだということになる。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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