また、郵便投票用の看板5枚と「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切)」運動の看板2枚もあったという。いずれの看板も共和党の候補者のものではなかった。タリーによると、AirTagがついた看板は見つからなかったとのことだ。
匿名希望の別の地元住民は、タリーよりも約90分早く警察から同じ場所に案内され、看板を見つけた。この住民は民主党の候補者の看板しか見なかったという。
ペンシルベニア州は、特に国政選挙で民主・共和党どちらにも傾くことがある激戦州とされている。先月、ジョー・バイデン大統領はフィラデルフィアで演説を行い、ドナルド・トランプ前大統領とその支持者を非難した。
モイヤー警部補は市民の証言を確認し、警察が現在、捜査に役立つ地元の監視カメラの映像を待っているところだと述べた。
また、モイヤー警部補はフォーブスに対し、選挙看板盗難の被害者の中には郵便受けを壊された人もいると語った。「郵便受けが壊されたりしていることから、ほとんどが子どもによるものだと思われる」とし「政治的主張のようなものをしようとしているグループの行為だとは考えていない」と述べた。
州議会議員選挙で再選を目指しているシャスターマンは12日「過激なMAGA(米国を再び偉大な国にする運動)の右翼に威圧されることはない。撤去されたものの倍の看板がまた掲示されるだろう」とツイートした。
「郡党はMAGAに大きく傾いていると思う」とシャスターマンはフォーブスに語り、トランプ前大統領を支持する党の一派に言及した。「地域の大多数の共和党員を反映しているわけではないが、彼らはかなりうるさい」と話した。
トレディフリンを代表するチェスター郡共和党委員会のメンバーは、フォーブスのコメント要請にすぐには応じなかった。
それでもモイヤー警部補は、アップルの追跡デバイスの斬新な使い方にもかかわらず、地元のビデオ映像などによって犯人が捕まったとしても、せいぜい軽犯罪にとどまるだろうと述べた。
「この件で刑務所に行く人はいない。そういうことだ」とモイヤー警部補は話した。
(forbes.com 原文)