長澤まさみが実践する「欲望のコントロール」というSDGs

女優 長澤まさみ


彼女はインタビュアーの目を見て、キッパリと言い切ると、次のように続けた。

「ドラマの中でもそうなのですが、自分の成長を止めるのは自分だし、自分の成長を促すのも自分だと私は思っていて。自分を自分で変えていくことが、いちばんのSDGsじゃないかって思います。繰り返しになりますが、本当に自分たち1人ひとりが動くしかなくて。漠然と考えるのではなく、具体的に行動することが重要だと考えています」

残された希望。それは、この星に生きる私たち一人ひとりの自覚ある行動と言う彼女は、とても具体的に考えていた。

「唐突ですけど私、乾燥野菜の専門店ができてほしくて」と、本当に唐突に、笑顔で、だが、とても熱っぽく語り始めた。

「誰かが乾燥野菜専門店、作ってくれないかなって。私自身、乾燥野菜をよく買って使っています。火を通さずに食べられるものもあるし、おしんこみたいに味が凝縮していて、ちょっと水で戻すだけで美味しかったりする。私、お料理が好きなので。乾燥野菜いいなって。廃棄される野菜は全部、乾燥野菜に。そんな流れができないかなって妄想してます(笑)」



彼女自身が取り組んでいる“アクション”もある。それは「己が欲望をコントロールすること」だ。

「具体的には食べる量を、あんまり多くしないようにしています。従来の私は、なんだか食欲がありすぎて(苦笑)、食べ過ぎてしまっている気がしていたんです。だから、ちょうどいい量を目指して、食材を買い過ぎないようにしたり、摂取カロリーを考えて食べるようにしています」

コントロールするのは、なにも食欲だけに限らない。

「食品と同じように、買い物をするときは、必要なものだけ、と意識しますね。化粧品なども、なくなって初めて買いに行く。そうやって、必要最低限のものだけ購入するようにしています。食べれば食べただけ、さらに食欲って増していく気がしていたんですが、たぶん、人間の欲望って、そんな感じで、どんどん増えていくものだから。自分で自分の欲望をコントロールするよう、努めています」
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文=仲本剛 写真=秋倉康介 撮影場所=ITOCHU SDGs STUDIO

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