FRBは9月20~21日に開いたFOMCで、3回連続で0.75%幅の利上げを決めた。議事要旨によると、追加利上げは高インフレにともなう「はるかに大きな経済的痛み」を防ぐのに寄与するとして、参加者らは積極的な金融引き締めを擁護していた。引き締めが厳しすぎるよりも甘すぎるほうがコストは「おそらく」大きくなるとの認識も示していた。
12日の米国株は議事要旨の公表前までは上向いていたが、公表後に軟調に転じた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は約2年3カ月ぶりの安値となっていた前日からさらに9ポイント(0.1%)下げ、10417で終えた。S&P500種株価指数も12ポイント(0.3%)近く下げ、2020年11月以来の安値をつけた。いずれも6営業日連続の下落となった。
LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビーは11日のリポートで、今週始まる第3四半期決算シーズンを投資家が不安を抱えながら待つなか、世界的に不確実性が高まり市場はいちだんと不安定になっていると指摘した。決算発表では、各社が経済の混乱にどう対処しているかがさらに明確になるだろうとも記した。
インフレの長期化によって世界各国・地域の中央銀行は今年積極的な利上げを余儀なくされており、その結果、株式相場は大きな打撃を受けている。昨年27%上昇したS&P500は今年は年初来25%下落しており、ナスダック総合も34%下げている。モルガン・スタンレーはS&P500について、足元の水準からさらに10〜20%落ち込み3000〜3400あたりで弱気相場の底を打つと予想している。
米株式相場は今週、新たなデータによって試される。13日には9月の消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、市場では前年同月比8.1%の上昇が見込まれている。大手金融機関などの決算発表も始まり、13日にはチャールズ・シュワブやゴールドマン・サックス、14日にはJPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴなどが直近四半期の決算を発表する予定だ。
(forbes.com 原文)