非効率な国際送金
暗号通貨業界では、SWIFTの欠点を解消する新たな国際送金手段の実現を目指す動きが活発化している。リップルは、同社のトークン「XRP」を用いた高速で安価な国際送金システムを提供しており、メタはステーブルコイン「リブラ」を使って参入を試みた。また、各国の中央銀行は、独自のデジタル通貨を使って非効率な国際送金を解決しようとしている。SWIFT自身も、この問題の解決にブロックチェーンを用いることを検討したことがある。
SWIFTは、2017年にHyperledger Fabricのブロックチェーンを使うことで銀行が国際送金を実行するために世界中の準備口座に保管している資金を削減できるかを検証した。ブロックチェーンによってこれらの海外口座の可視性を高めることで、口座に保管する資金を削減しながら、遅滞なく取引を実行できるようにすることが期待された。
このプロジェクトには、ウェルズ・ファーゴやドイツ銀行、JPモルガン・チェースが参加した。その結果、ブロックチェーンは流動性管理を改善することができるものの、この仕組みを実現させるためには、参加銀行がそれぞれシステムをアップグレードしなければならないことが判明した。
先日発表された実証テストは、少数の銀行が参加して実施され、9月末までに追加のフィードバックを行う予定とされた。
「これは研究開発プロジェクトだと位置付けている。イノベーションが良いのは、常に機能しなくても良い点だ。大事なのは、我々が現実にある問題を解決できるかということだ。今回の場合、それはカストディアンや資産運用会社にとって明確な課題だ」とZschachは述べた。
(forbes.com 原文)