森岡:バーバリーはラグジュアリーブランドのひとつですが、『Forbes』の読者が取り入れやすいブランドだと思います。
小暮:老舗の伝統という意味では、バーバリーチェックをもっているというのも大きいでしょうね。キャメル、黒、赤、白のチェック柄。バーバリーといえば、世界中の人々が誰もがこのチェック柄を思い浮かべる。新作のカーコートの裏地にも使われていますよ。
森岡:そういう絶対的なアイコンをもっているというのもバーバリーの強みでしょうね。
小暮:だから、コレクションでは突飛さを表現する必要がないのでは。
森岡:HPで表現されているように、合わせるアイテムによってコーディネートで遊べ、ブランドの広がりや時代性を表現している。そんな装いが楽しめますね。
小暮:このコート一枚で、どんな着こなしにも合い、この先もずっと着られるように見えますからね。
森岡:それこそサステナブル。環境が重要視される現代にもマッチしているのでは。
小暮:確かにそうですね。英国紳士はサヴィルロウで仕立てた一着のスーツを子に残すほど大事に着続けますからね。そういう意味ではこのコートも、バーバリーというブランドも、極めて英国的だと断言できますね。
森岡:ラグジュアリーブランドだからこそ、そういう精神をもつ必要があるのでは。
小暮:職業柄、すぐに新しものに飛びついてしまうので、気をつけたいと思います。
森岡:それは私も同じです(笑)。
「バルカラーコート」と呼ばれるトラッドコートの定番的なデザインだが、バーバリーではこの新作を「カムデン カーコート」というモデル名で呼んでいる。素材はコットン100%のギャバジン。ラグランスリーブで、フロントは比翼仕立てのデザイン。「カムデン」フィットを採用し、シルエットは細身。イタリア製。269500円(バーバリー/バーバリー・ジャパン0066-33-812819)
森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。
小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。