今では、競合他社は独自の継続収益モデルを築きたいと願っているが、主要パソコンメーカーにとってその実現は困難であり、アップルは彼らの羨望の的となっている。
アップルがこれほど巨大なサブスクライバー基盤を構築できた理由の1つは、あらゆるハードウェアとソフトウェアプラットフォームを横断して連携させるエコシステムにある。過去10年間にアップルのハードウェアを購入した経験があれば、MacやiPhone、iPadから別のハードウェアに移行する上で、この継続性(continuity)がいかに重要であるか理解できるだろう。
筆者がiPhone 13 Pro Maxから14 Pro Maxにアップグレードした際、ソフトウェアの継続性は非常に重要な役割を果たした。新しい端末を古い端末の横に置いてボタンを押すだけで、データやアプリが全てシームレスに移動したのだ。
サービス事業は1000億ドル突破へ
SIMのデータ転送は当初は厄介に思われた。筆者のiPhone 13が物理SIMを搭載していたのに対し、iPhone 14はeSIMを搭載したからだ。筆者は当初半信半疑だったが、物理SIMの情報はeSIMに問題なくダウンロードされ、同じネットワークと電話番号をすぐに使用することができた。
この継続性を実現するソフトウェアとテクノロジーこそが、人々がアップルのエコシステムに加入する主な理由だと言える。ユーザーは、アップルのハードウェアとソフトウェア、そして継続性を実現する技術によって全てのデバイスを簡単に同期させたり、最新の状態に保つといった優れたサービスを受けることができ、競合製品に比べて格段に使いやすいことを理解している。
アップルのサービス事業は、成長を続けている。専門家らは、同事業の規模が現在の約800億ドルから2023年半ばには1000億ドルに拡大すると予想している。サービス事業は、アップルの中で最も速く成長している部門だ。同社が新規顧客をエコシステムに取り込む勢いを考えると、今後もサービス事業が成長を続け、同社の将来において非常に重要な存在になることは間違いないだろう。
(forbes.com 原文)