5位 ニューヨーク(8.2%)
米国では、ニューヨークのホテル料金が最も上昇する見通しで、上昇率は同国の現在のインフレ率である8.3%とおおむね合致している。
ニューヨークを訪れる観光客の数は回復しており、客室稼働率はコロナ前の水準の87%に達し、米観光地の中で最も高い。一方、より高価格帯の出張分野は2019年比で55%減となっている。アメックスGBTは、今後、対面での会議やイベントが復活すれば出張者も増加すると見込んでいる。
6位 サンパウロ(7.7%)
ブラジルのインフレ率は10%を超えており、同国のビジネス・金融中心地であるサンパウロのホテルにはその影響が表れている。2023年には対面での会議やイベントに対する繰り延べ需要が生じ、同市のホテル料金は7.7%上がると予想されている。
7位タイ アムステルダム(7.5%)
オランダの首都アムステルダムの今年1~5月の訪問者数は、前年同時期の約4倍だった。業界の重要指標であるRevPAR(販売可能な客室1室当たりの収益)は5~6月、2019年の水準にほぼ戻っている。
アメックスGBTによると、レジャー目的の旅行者の間で格安・中級ホテルの客室に対する需要があることから、出張者はより高級なホテルの利用を強いられている。報告書は、オランダのインフレ率が7月、1970年代以来となる2桁台に達したと指摘した上で、「ホテルは出張者にコストを転嫁しようとする可能性が高い」としている。
7位タイ フランクフルト(7.5%)
アメックスGBTは、ドイツではコロナ流行に伴う渡航規制の緩和が他の欧州諸国よりも遅かったことから、フランクフルトで行われる会議や展示会への繰り延べ需要が今後12カ月で生じると予想している。
同市のホテルはここ2年にわたり、稼働率の低下や運営費の上昇を経験。報告書は「需要が戻るにつれ、ホテル経営者らは利ざやを確保しようと価格を上げるだろう」としている。
7位タイ シアトル(7.5%)
シアトルのホテル料金は年々上昇を続けてきたが、それでも需要は抑制されていない。2022年第2四半期の平均客室稼働率は71.9%で、コロナ前の水準よりも数%低い程度に回復した。来年にかけて新たなホテルが開館することで、料金の高騰はいくぶん抑えられるだろう。
10位 サンフランシスコ(7.3%)
同市では出張需要の回復が遅く、今年のホテル業界での出張客からの売り上げは2019年比でなんと68.8%減となっている。アメックスGBTは「対面で行われる会議に対する需要増加により、ホテル料金は2023年に7.3%上がることが予想されている」としている。