最優秀作品には、成長中のヤモリの前足の非常に精細な画像が選ばれた。撮影したのはジュネーブ大学Laboratory of Artificial & Natural Evolution(人工および自然進化研究所)の博士課程大学院生グリゴリー・ティミン。ミシェル・ミリンコビッチ教授の指導の下で行われた研究の中で、ティミンはこのPhelsuma grandis(キタオオヒルヤモリ)の胚を顕微鏡で観察した。彼はヤモリの手の特徴的部分、神経、骨、腱、皮膚、血液細胞などをさまざまな蛍光ラベルで染色した。
「この画像は特に美しくかつ有益で、全体としてだけでなく、ある領域を拡大して光を当てると、その構造がどのように組織化されているかを細胞レベルで見ることができます」とティミンがニコンに話した。
審査パネルには、科学と写真の専門家が参加し、数千点の応募作品をふるいにかけた結果、90点以上の画像を入選または佳作に選んでいる。
乳房組織の乳腺胞を収縮性の筋上皮細胞が包んでいるところ(画像提供:Nikon Small World.DR. CALEB DAWSON)
応募作品は全世界から寄せられた。メルボルンのウォルター・アンド・イライザ・ホール医学研究所のカレブ・ドーソンは、乳房組織の乳腺胞を包む筋上皮細胞の画像で第2位に入った。第3位には、ヘルシンキ大学のミンナ・パーヴォンサロとシテム・カラマンによるマウスの腸の血管の画像が選ばれた。
成体マウスの腸の血管網(画像提供:Nikon Small World.SATU PAAVONSALO & DR. SINEM KARAMAN)