今年最も資産を減らしたのは、マーク・ザッカーバーグで、メタ(旧フェイスブック)の株価が57%暴落したことにより約740億ドル(約10兆円)の財産を失い、2014年以降で初めてトップ10から脱落した。ビル・ゲイツやグーグルの共同創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンらも数百億ドル単位の資産を失った。
しかし、今年のフォーブス400に入るために必要な最低資産額は、昨年の360億ドルから、370億ドルにわずかに上昇した。上位20人のうち、ブルームバーグの共同創業者のマイケル・ブルームバーグや、コーク・インダストリーズ会長兼CEOのチャールズ・コークらは、このような状況の中でも資産を増やしていた。
最も資産を増やしたのはイーロン・マスクだ。推定2510億ドルを保有する彼は、テスラの株価が11%上昇し、スペースXの評価額が最新の調達ラウンドで1270億ドルに達したことで、1年前より605億ドルも豊かになっている。
ここでは、今年のフォーブス400の上位10人の近況をお伝えする。保有資産は2022年9月2日現在の株価や資産の評価額をベースに試算した。
1. イーロン・マスク
保有資産:2510億ドル(1905億ドルから増加)
富の源泉:テスラ、スペースX
昨年11月に、人類初の保有資産が3000億ドルを超える人物となったマスクは、テスラの株価が市場全体の急落を受けて下落した後に、ツイッターの440億ドルの買収話から撤退を表明したが、今年初めてフォーブス400の首位に立った。彼は、昨年11月に脳インプラントのスタートアップ「ニューラリンク」の女性幹部との間に密かに双子をもうけていた。また5月には、スペースXの社用ジェットの客室乗務員にセクハラを行ったとの告発を受けてこの疑惑を否定した。
2. ジェフ・ベゾス
保有資産:1510億ドル(2010億ドルから減少)
富の源泉:アマゾン
2017年以降で初めて首位から陥落したジェフ・ベゾスの保有資産は、アマゾンの株価が20%以上暴落したことを受けて500億ドル減少した。彼は昨年7月にアマゾンのCEOを退任した。今年春には、ベゾスがオランダのヨットメーカーに注文したスーパーヨットがあまりにも大きすぎ、船が出港するためにはロッテルダムの歴史ある橋を解体せねばならないと報じられて非難を浴びた。
3. ビル・ゲイツ
保有資産:1060億ドル(1340億ドルから減少)
富の源泉:マイクロソフト
ゲイツは7月に200億ドルの財産をビル&メリンダ・ゲイツ財団に移すと発表した。彼の資産は過去1年間で約280億ドル減少したが、減少分の大半をこの寄付が占めている。2015年にパンデミックの発生を予言したゲイツは、5月に新たな著書「パンデミックなき未来へ 僕たちにできること」を発表した。