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2022.10.12 16:30

本田圭佑、投資家として歩んだ6年 いま描く「世界初」の構想

左から、中西武士、本田圭佑、ソーヘル・プラサド(撮影=小田駿一)


スターの投資、当たり前に


XPVは、タレントを「共同投資パートナー」として招き入れ、彼らの出資先企業の選定やデューデリジェンス(企業調査)を担う。
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すでに、米国で著名な俳優であるケヴィン・ハートがパートナーとなり、本田の元にはアジアの音楽事務所やYoutuberを抱える事務所から、タレントのXPVへの参画の話が次々舞いこんでいる。

XPVのCEOに就く中西はこう語る。

「ケヴィンのようなメガスターが自分の投資部署を作っていくのが、間違いなく今後主流になる。ケヴィン自身もファンドを持っていますが、じゃあデューデリジェンスのプロセスに対応できるチームが作れるかというと難しい。それを我々がプラットフォームとして支えるわけです。うちには弁護士もいますし、現場メンバーを揃えているのが強み」
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本田の考えはこうだ。

「個人が、サッカーをやりながら、Youtuberをやりながら、いろんなことをする時代でしょ。そうすると、自分の投資案件とか整理がつかなくなってくるわけですよ。ただ、有名人でも、グッズを作って販売するためのパートナーはいても、僕らのようにスタートアップのデューデリからファイナンス系のバックオフィスまでやれるパートナーは少ない」

さらにもう一人、XPVに加わったのが、ソーヘル・プラサドだ。彼は、未上場スタートアップの株式を売買できるプライベートマーケット「Forge」のCEOで、同社を約30億ドルで上場させた。5歳でプログラミングを始め、10歳でスタートアップメディアに目を通すようになった。その後、自ら立ち上げたサイトに「自分ならどのスタートアップに投資するか」を公開していたという。そして19歳になったとき、実際にエンジェル投資を始めた。

またPaypalの創業者であるピーター・ティールが手がける、若手起業家育成プログラム「ティール・フェローシップ」にも採択されるなど、若くして才能を見出された人物だ。

XPVには、本田と中西のメンタリティへの共感があったと話す。

「2人の世界へのアプローチの仕方に共感しました。例えば本田は、これまでもいろいろな成功を収めてきたが、まだメンタル的にはスタートラインに立っている。その精神が僕らのチームをまとめています。XPVでは、セレブリティによる投資ファンドを作るのではなく、著名人がファンドを作っていくためのインフラをどう構築するかを考えています。それがXPVの目指すところです」

そんな彼の口癖は、「Think Bigger」だという。

著名人のスタートアップ投資を支援するプラットフォームは、世界初の試みだ。「Think Bigger」を合言葉に、本田、中西、ソーヘルのインフラ作りが本格始動する。

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文=露原直人

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