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2022.10.12 16:30

本田圭佑、投資家として歩んだ6年 いま描く「世界初」の構想

露原直人
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ビッグマウスとバックグラウンドに投資する


「日本人起業家への投資判断の場合、バックグラウンドはあんまり役立たないです。なぜなら、受験文化だから。要するに入るのは難しいけど、出るのは簡単でしょ。アメリカは極端な話、大金を払ったら入学できることもある。でも卒業するのが大変。だから、どの大学で何を勉強したかが、起業家の資質を見極める判断材料になるんです」

米国で本田が出資を決める際は、そうした経歴に加え「ビッグマウス」も重要だという。

「やっぱり創業者がぶっ飛んでるタイプは、行きたいんです。うさん臭かったりするけど、自分の世界観を信じてるじゃないですか。ただ、僕なりの目利きがあります。

ビックマウスで壮大な像を描いていても、若かったり、社会経験や組織に務めた過去がない人は怖い。でも27歳28歳で、社会を一通りみていろんな人脈にもまれてきて、なおかつビッグマウスの場合は絶対に投資します。

会社を売却した経験があるとか、元起業家である必要はないんですけど、過去に積み上げてきた経歴という、『失うものがありながらビッグマウスを語る人』は買いですよ。大学生がビッグマウスなんて当たり前。失うものゼロですから(笑)」

本田は「Dreamers Fund」の運営を経て、それまでを「インフルエンサーがアドバンテージになるという、仮説を実証した期間だった」と話す。最初は、サッカー選手としての知名度を活かし、日本国内で優良なスタートアップへの投資機会を得た。また。2018年からは、ウィル・スミスという著名人を通じ、米国のインナーサークルにもアクセスが可能になった。

しかし一方で、「Dreamers Fund」では課題も見えた。

「ドリーマーズで支援する起業家は、影響力を持つウィルからのサポートを求める人が多かった。日本では名が通るケイスケホンダも、アメリカでは通用しないわけです(笑)ただ、彼とはお互いメッセージをやり取りしますけど、すごく忙しそう。ウィルがいたことで有力なスタートアップへの投資に初期から入ることができた一方で、出資した後の支援が不十分でした。

彼に依存しすぎしすぎないというのが、1つポイントだったような気がします」(本田)

ウィル・スミス
Getty Images

いくつもの有望ば案件へ出資をしてきたものの、多忙なウィルが投資後もサポートすることは難しい。「ファンドとして力不足で、反省点」と振り返る。

ただこの経験が、本田の次なる「インフラ構想」へとつながる。ウィルのように、複数の活動を行いながらもスタートアップへの投資に挑むタレントたちを支援するのが「XPV」だ。
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文=露原直人

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