データの安全性に疑問を持っているという点を指しているのではない。その点については、間違いなくみんな正しいだろう。あるいは、本当に魅力的なプロダクトを作るよりも、ただ広告を見せることに依存するビジネスモデルを疑問視しているという点も間違っていない。
しかし「一体このプラットフォームを誰が利用しているのか」ということに関しては、しばしば私たちの認識が間違っているケースは多い。私たちはZ世代やその他の年齢層が、TikTok(ティックトック)やSnapchat(スナップチャット)、YouTube(ユーチューブ)に移ったと思いがちだ。私も読者や同僚からも、フェイスブックは時代遅れだといわれたことがある。
しかし、フェイスブックのユーザー層について私が目にしたレポートの多くは、異なることを語っていた。2021年夏のあるレポートでは、実はすべての年齢層がほぼ同じだけフェイスブックを利用していることが報告されたのだ。世界的に見ると、むしろフェイスブックの利用ユーザーの年齢分布は若い層に寄る傾向があり、18~24歳くらいの人たちが中心となっている。つまりこれは、より高い年齢層が他のアプリケーションよりもフェイスブックを好んで利用している一方で、若年層も引き続きフェイスブックを使い続けているということなのかもしれない。
そしてこれに関して、マーク・キューバンは最近のポッドキャストでさらりとコメントした。起業家でありテレビ番組『Shark Tank』(日本の『マネーの虎』をオリジナルとする)の司会者でもある彼は、フェイスブックグループを利用している若年層が非常に多いことに驚いていると口にした。これはすばらしい考察であり、上記の統計だけでなく、この年齢層に関する私自身の経験とも一致するものだ。
Z世代は、知識を蓄積するのを好む。頭が切れる人も多く、彼らは携帯電話を非常に上手く使いこなしている。携帯電話を、まだ見ぬ世界への入り口と見なしているのだ。何か質問をしたり、会話をしたりすると、他の年齢層の人たちよりも、携帯電話ですぐに答えを探す傾向がある。彼らは真実を求めたがる人たちなのだ。