ビジネス

2022.10.13 12:30

コミュニティに属さない自由と強さ クリエイティブとの関係とは


中道:強さだよね、それ。自分のこと見つめたり、一人で考えたり、考えなきゃいけないような状況だったり。それがいいかどうかとか、好き嫌いを一旦置いといたとして。決まった組織や場所があれば、フィジカルのコミュニティがあるけれど、それを全部置いて一人で考える時間を持ってるっていうのは強さで、話していてもそれをすごく感じます。

MAKI:孤独っていうとネガティブですが、要は、フリーなわけですよね。自由。その自由をすごく意識できるっていう。フィジカルにも自由を感じられてるっていうことは、自由な発想に繋がると思います。

中道:そうやって視点の持ち方が自由だから、自分で解釈できたり、人と違う結果になっても自分のイメージを強く持つことができる。そういうのが独創性に繋がっているんじゃないかなと思います。

世界中どこに行ったって、日本人どうこう関係なしにMAKIさんみたいな人は多分変わってる人で、普通にそこら辺にいるような人じゃないじゃない。日本人だからじゃなくて、そういう生活してたりとかそういう生き方してる人自体が珍しいのだけど、強くなかったらできないよね。

MAKI:自分では強いとは思ってないですけど。ただ、「knowledge is power」に近いかもしれないですが、考えることができるのが最大の力というか。就職の可能性も皆無ではないですが、今はあんまり考えていなくて。教育を受けていて就職と起業の経験もあるので、野垂れ死ぬことはないだろうと思っています。



中道:今は、自分の会社をやっているのですか?

MAKI:一応ブランドを作ったときに立ち上げた会社がありますが、それをベースに大きくするかどうかは模索中です。もし新しいブランドをやるなら、もっと自分のミッションとして、パッションを持ち続けられることを意識したいなと思っています。

というのも、アフリカのデザイナーとブランドをやったときは、もちろん自分も彼女の才能やビジョン、アフリカの価値を新しいデザインを通じて伝えたいという想いに共感したからではありますが、(アフリカの文化を)自分の文化とは言えないから、自分で話すのが難しくて、そこに葛藤があったからです。

中道:自分のブランドや会社を考えているのであれば、絶対やった方がいいですよ。僕はこれまで、クライアントのサポートをするクリエイティブエージェンシーの仕事と、リーバイスの人間として、自分で作ってはいないけど事業部側で責任を持つような仕事をしていたんですよね。

それで今、小さいけれど自分たちでグリーンティーのブランドを作り、それを日本の食文化として世界に出していくためにレストランを始めています。本当の意味でゼロから自分たちで作っていて、投資も受けていないので、お金の面でも大変なんですが、1から10まで自分たちで市場メイキングして、自分たちで責任持つって、面白いなと思いますね。
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文=小谷紘友 編集=鈴木奈央

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