【解説】日本で医療大麻解禁? 大麻規制検討小委員会とはなんだったのか

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カンナビノイド研究が盛んに


これは、どのメディアもあまり言及していないが、今回の取りまとめ案に沿った改正がなされた場合、大きく前進する可能性を秘めているのが研究分野だ。これまで、麻向法とあへん法では、麻薬又はあへん・けしがらを使用する研究者免許は、麻薬研究者免許として共通となっている一方、大麻の研究は麻薬研究者免許とは異なり大麻取締法に基づく大麻研究者免許の取得が必要であり、免許期間・内容は麻薬研究者免許より制限的である。

また、日本国内においてはカンナビノイドの研究自体がこれまでは研究としても盛んにおこなわれているとは決して言える状況ではなかった。それも、大麻取締法において、医療も禁止、研究も厳しいという状況であれば研究をしても利用先がなく、研究者は積極的に研究対象としないことは想像できる。今回の小委員会のとりまとめ案では、大麻研究を行う研究者免許については、麻薬研究者免許へ一本化させる案が提示された。医薬での活用も見込まれていることから、今後カンナビノイドの研究が大きく進む可能性がある。

まだまだ国内には研究者が多くいる状況とは言い難いが、理系の若い学生は是非一度カンナビノイドの研究者と話をしてみていただきたい。

まとめ


今回の小委員会のとりまとめ案だが、これによりメディアやインフルエンサーにより

・日本も大麻(全草)解禁か

・医療大麻(喫煙のイメージ)も解禁か

・栽培が(誰でも)できるようになる

といった誤解が広がる状況が生まれている。

大麻はイメージが悪く、逆張り的な主張をすることで、知的イメージを出すことができるエンジンに題材としてはなってきたので格好の餌食になってしまうのだが、ただ面白おかしく消費するのではなく、本質的な議論や知識のもと、メディアやインフルエンサーにも発信していただきたいものだ。

文=柴田耕佑

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