11月6日〜18日にエジプトで開催予定のCOP27は、より持続可能な未来の構築に向け、これまで耳を傾けてこられなかった人々の声を取り入れる機会を提供します。
COP27が成功する鍵は何でしょうか。世界経済フォーラム(WEF)のアジェンダからご紹介します。
国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)は、世界中のリーダーたちが、将来の経済繁栄のために気候変動対策を中心に据え、課題解決に向けてより強靭でサステナブルな道筋を構築していく絶好の機会になります。新興市場にとっては特に重要な機会です。
9月に開催された、国連総会の会合や世界経済フォーラムの持続可能な開発インパクト会合に集ったリーダーたちの多くがCOP27にも参加しますが、以下の考えを心に留めておくことが鍵となるでしょう。
COP27は、初の「COP実行版」となるとの見方が強まっています。特に、グローバルサウスにおける気候変動の緩和・適応策プロジェクトの資金不足解消に寄与する「気候資金」のさらなる動員をグローバルに推進する機会となるでしょう。
過去10回開催された気候変動COPのうちの6回は欧州で開催されていますが、今年の北アフリカでの開催と、2023年COP28のアラブ首長国連邦(UAE)での開催は、気候変動による影響が甚大であるにも関わらず過小評価されがちな地域の声を取り上げるチャンスとなるでしょう。
新興国、そして社会のあらゆる階層の人たちが共にアジェンダを形成し、その直接的な恩恵を実感できるようにならない限り、排出量削減を目指した行動が成功することはないでしょう。
2015年のパリ協定調印以降、先進国は気候変動解決策として1000億ドルの拠出を約束。昨年のCOP26ではグラスゴー気候合意に署名し、今後10年間で行動を加速させる方向で世界が合意しました。エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催される今年のCOP27では、公約実行性についての責任が問われることになります。
しかし、気候変動に対する行動は政府だけで取れるものではありません。世界各国が、排出量削減の達成と、気候変動による影響への適応に関わる「国が決定する貢献(NDC)」を実行していく上で、企業が重要な役割を果たします。
11月のCOP27は、企業が、気候変動対策に取り組むというかつてないモメンタムの中で開催されるため、二酸化炭素排出量の削減や環境汚染対策に必要となる官民連携を強化する貴重なチャンスになるでしょう。