ビジネス

2015.06.04 15:00

米国ファストフード業界「9大ブランド」の新規出店数ランキング

YMCAやガソリンスタンド、ウォルマートの中など非伝統的なロケーションに店舗を増やし成功したサブウェイ(Billy / flickr)



アメリカの各都市では、ファストフードの店舗数は飽和状態のようにも見える。

しかし、そんな状況下でもふさわしい場所を見つけ出し、出店し続けているチェーン店が存在する。業界誌QSRのランキング「アメリカのファストフードチェーントップ50」によると、2013年に米国内で100店舗以上を新規オープンしたファストフードチェーンが9社存在する。

どのチェーンが成長を続けているのか。
また、彼らはどこに新店舗をオープンしているのだろうか。

注目すべきなのは、ほぼ全ての店がハンバーガーやフライドポテトなどの伝統的ファストフードよりも、健康的で品質の高いメニューを提供するファストカジュアルの分野に注力していることだ。下記に、2013年の店舗増加数トップ9社を掲載した。

 

1位: サブウェイ
店舗増加数:878

20130625145540_1584746963


2013年のサブウェイの店舗増加速度には、どのチェーン店も敵わない。12年の950店舗よりは減少したが、サブウェイは13年、2位以下の倍以上の店舗を新規オープンした。世界規模では約2,700店舗を新しくオープンし、4万もの競合レストランを閉店に追いやっている。
アメリカ国内のどこに新店舗をオープンする場所が残っていたのか不思議に思うだろう。彼らが狙いを定めたのは、YMCAやガソリンスタンド、ウォルマートの中など非伝統的なロケーションだ。

 

2位: ダンキンドーナツ
店舗増加数:371

dunkindonuts_logo


ダンキンドーナツの勢いは、まるでライバルのスターバックスを駆逐しようとしているかのようだ。13年の店舗増加数は12年の約300を上回り、同社は米国だけで約6,700もの店舗数を誇る。また、近年になり初めてカリフォルニアへの積極的な進出を開始。14年にはモデスト、ウィッティアー、サンタモニカ、ダウニー、ロングビーチなどに新店舗をオープンさせた。

 

3位: スターバックス
店舗増加数:329

img-logo




スターバックスは最近、クリエイティブな出店方法で注目を集めている。地元の人たちに受け入れられるよう、ロケーションに合ったデザインの店舗をオープンさせている。13年には、ユニークな店構えのドライブスルーを主要都市にオープンした。例えば、シアトルのウォーターフロント近くの店舗は輸送コンテナで造られており、ニューオリンズの歴史的地区「フレンチ・クオーター」の店舗は19世紀の薬局のような外観が目を引く。また、スターバックスはコーヒーだけでなく紅茶専門店「ティーバナ」の展開にも力を入れている。

 

4位:ジミー・ジョンズ
店舗増加数:242

jjLogoLarge




サンドイッチ出前サービスのジミー・ジョンズの成長が著しい。14年には、アメリカ国内で24番目に大きいファストフードチェーンにまで成長した。四半期統計報告書によると、現在アメリカで1,800店舗以上を展開しており、サブウェイ、パネラブレッド、アービーズに続いて4番目に大きいサンドイッチチェーンとなった。3位のアービーズは13年に30店舗も閉店しており、ジミー・ジョンズはアービーズを抜こうと必死だ。ジミー・ジョンズは13年に、オハイオ州デイトン、アトランタ、フロリダ州ブレーデントンなどに新店舗をオープンしている。

 

5位:リトル・シーザーズ
店舗増加数:217

LittleCaesars-logo




リトル・シーザーズは5ドルの大きなピザを武器に、競合を駆逐する勢いで成長している。12年には200店舗以上を新しくオープン。そのおかげで13年には、アメリカ国内のチェーン店ランキングにおいて、前年の22位から18 位までランクアップした。最近もアメリカ国内35州で新店舗オープンをさせるなど、快進撃はまだまだ続いている。

 

6位: チポトレ
店舗増加数:185

Screen shot 2014-06-02 at 9_39_28 AM




ファストフードチェーンはみんなチポトレのようになりたいと願っている。それほど、チポトレのエネルギーがすさまじく何もかもうまくいっているように見えるからだ。チポトレは13年も12年とほぼ同数の新店舗をオープンさせ、総店舗数は約1700店舗に近づいている。環境に優しいオーガニックな野菜にこだわりを持ったメキシコ料理チェーンとして、チポトレは消費者から絶大な支持を得ている。

 

7位: ポパイズ
店舗増加数:126

logo


ポパイズは最近、最大のライバルであるケンタッキーフライドチキンとの勝負に勝ち続けている。13年、ケンタッキーフライドチキンはアメリカ国内で127店舗を閉店。ポパイズは閉鎖されたケンタッキーフライドチキン店舗を買い取り、同じ場所に新店舗をオープンさせた。12年の店舗増加数は69。13年の店舗増加速度は過去15年の中で最高を記録した。イリノイ州シャンペーンやニューヨーク州バッファローなどに新店舗を出店している。また、13年は500店舗以上を改装し店のフレッシュな印象を保った。

 

8位: パネラブレッド
店舗増加数:125

PaneraBread-Primary-logo-HR-300x203


ベーカリーカフェのパネラブレッドは、競合他社に負けずにジワジワと店舗数を増やしている。12年には111店舗を新規オープン。13年にはフロリダ州オーランドやミシガン州グランドラピッズなどを含む新しいロケーションで新店舗をオープンさせた。13年末時点でのアメリカ国内におけるパネラブレッドの店舗数は1,700 以上にのぼる。

 

9位:マクドナルド
店舗増加数:121

ml_rm_c_l2

2015年4月には世界の既存店売上高が前年同月と比べ0.6%減ったと発表したマクドナルド。売上は11カ月連続で前年実績を下回っており、既存店舗の閉鎖も始まったが、13年時点では米国内で新規に121店舗をオープンしていた。その前年の60店舗に比較すると倍以上の出店数だったことが分かる。当時のマクドナルドの1店舗あたりの平均売上は250万ドルで、クリスピー・クリーム・ドーナツとチックフィレイに続く3位となっていた。

文=ブライアン・ソロモン(Forbes)/ 編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事