ペットフードのことは忘れよう。サンフランシスコ・クロニクルによると、この高級レストランでは、野生の鹿肉の心臓が入ったバラの形のケーキ、テーブルサイドで調理されるチキンマッシュルームスープ、鶏皮のワッフル、そして「ドッググッチーノ」など、栄養価の高い食事が提供されるそうだ。日曜日には、75ドル(約1万1000円)の3コーステイスティングメニューを楽しむことができる。
ちなみに、人間の食べ物はない。ただ、人間の親友のために手の込んだ料理が用意されている。
クラシックなフランス料理を学んだプロのシェフである創業者のラーミ・マッサーウェは、新鮮な生食は犬にとってすばらしいことだと信じている。「Dogueは、一匹でも多くの犬の生活を変えることを目指しています。新鮮で季節感のある、質の高い食べ物を与えることです」とマッサーウェはいう。
マッサーウェは、妻といっしょにオールドイングリッシュマスティフのグリズリー(店名はフランス語で「マスティフ」の意味)を飼ったのがきっかけで、このレストランを思いつた。「この子には健康な食事と最高の生活で、最高に幸せになってと思っていました」と、ブリーダーと近所のペットショップから勧められたフードを与えていたマッサーウェはいう。
しかし、グリズリーは選り好みする子犬だった。「1週間もすると、明らかに食べ物を嫌がっているのに気がつきました。私たちも、毎日同じドライフードや、袋入りや缶詰のフードを楽しめないでしょう」と、マッサーウェはいう。
そこでマッサーウェは、料理人としての知識を生かし、季節の食材や新鮮な食材を使った料理を作り始めた。さらに一歩進んで、牧草飼育された肉や季節の有機野菜など、栄養バランスのとれた食事を手作りする方法を専門家から学んだ。