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2022.10.08 18:30

ハワイの巨大火山マウナ・ロアが「不安定」のため頂上を閉鎖

1984年3月25日に噴火するマウナ・ロア山(クレジット:米国地質調査所)

1984年3月25日に噴火するマウナ・ロア山(クレジット:米国地質調査所)

世界最大の活火山の頂上は、当面訪問者の受け入れを中止した。理由は「活発化の高まり」であり、具体的には日々数十回の地震が起きているためだ。

「予防的措置として、ハワイ火山国立公園はマウナ・ロア山の山頂地帯を当面閉鎖します」と国立公園局は10月5日に発表した告知で述べている。

今回の閉鎖は、米国地質調査所ハワイ火山観測所(HVO)が、この巨大火山の監視を強化する決定をした同じ週の出来事だった。マウナ・ロアはハワイ島の大部分を占め、もし海底にある麓(ふもと)から測れば、その高さはエベレスト山の2倍近くになる。

正確を期すためにいうと、マウナ・ロア山は現時点で噴火していないが、地震活動は過去数週間増加しており、1日に50回近くの小規模地震が起きている。

地質調査所によるとこの火山が最後に噴火した1984年であり、現地ではほぼ定常的に地震が発生していた。

「地震率は1分あたり2~3回に上昇し、約30分後に弱い振動が始まりました。その後2時間以内に火山は噴火しました」

差し迫った噴火を予兆する地震はまだ観測されていない。

マウナ・ロア山は2014年に活動を再開するまで30年近く休眠状態だった。その後地震活動と地表の変形が2017年に起こり、2019年に再び激しくなると2021年のはじめ、さらには2022年9月22日以降、本格的な活動が始まった。

米国地質調査所は、現在の活動は地表からまだ深い、おそらく頂上から2~5マイル(3.2~8キロメートル)の位置にあるマグマの動きによるものだという。

過去にマウナ・ロア山が噴火したときには、通常、噴火は頂上から高速で流れ出る溶岩にはじまり、わずか数時間のうちに、溶岩は海やリゾート地のカイルア・コナなどの人口密集地域に到達した。

専門家は住民に対し「非常持出袋」を用意して噴火に備え、火山観測所やハワイ郡市民防衛局の最新情報を確認して安全を保つよう推奨している。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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