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2022.10.11 09:15

ソフトウェア企業に特化したVC「Heavybit」の異端の投資戦略

Getty Images


ドラモンドは、Heavybitの設立当初から、収益の心配をする前に大規模なユーザー・コミュニティを構築するべきだという信念を抱いている。同社は、10年前にドラモンドと、クラウド開発サービス「Heroku」の共同創業者であるJames Lindenbaumによって設立された(Herokuは、2010年にセールスフォースに2億1200万ドルで買収された)。
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同社は、最初に組成した2つのファンドでアクセラレータ・プログラムを立ち上げ、そこから脆弱性管理のSnyk(スニーク)やソフトウェアの機能管理ツールのLaunchDarklyなどのユニコーンが誕生した。ドラモンドは会社の設立当初、開発者ツールについて誤解するベンチャーキャピタリストが多く、自身の考えを主張する必要があったという。

「かつて、大手VC数社がLaunchDarklyについて、興味深い会社だが料金を支払っているユーザーが少ないと言っていた。私は、彼らにそれが良いことであり、忍耐強く待てば、より大きな見返りが得られると主張したことを鮮明に覚えている」とドラモンドは述べた。

VCの投資意欲が旺盛だった時期にSnykとLaunchDarklyが成功を収めたことで、この領域への投資が活性化した(現在のSnykとLaunchDarklyの評価額は、それぞれ85億ドルと30億ドルとなっている)。しかし、その後の市場の低迷により、開発者向けツールの創業者たちにとって、会社を成長させることが困難になったとドラモンドは指摘する。
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新ファンドの規模は、前ファンドの2倍となる8000万ドルだが、ドラモンドは控えめな増額だと捉えている。この資金を使って、主に既存投資先への追加投資を行う予定だという。

1社当たりの投資額を増やすためにより大きな資金を調達するVCとは異なり、Heavybitの初期投資額はこれまでより少なくなる可能性がある。その理由は、設立間もない開発者向けソフトウェア企業へのプレシード投資をより多く行う予定だからだとドラモンドは話す。

「我々は、有望なスタートアップを発掘することへの自信を増している。企業のライフサイクルにおいて、より早い段階で出資を行い、企業の立ち上げ当初から支援することを推進している」と、彼は述べた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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