ライフスタイル

2022.10.09 17:00

米国で、メンタルヘルス問題で入院する青少年が5年で61%増加


メディケイド制度(低所得者向けの公的医療給付制度)を利用する子どもや青少年に関するデータでは、気がかりな状況が見て取れる。メディケイドを利用する子どもや青少年については、急性期診療を受診するケースが増え、外来診療を受けるケースが減っているのだ。つまり、メディケイド利用者を受け入れる小児・青少年向けメンタルヘルス医療機関が足りておらず、心の治療を必要とする患者すべてに対応できていないことが暗に示されている可能性がある。

「パンデミックが起きるかなり前から、米国はすでに大規模なメンタルヘルス危機を迎えていた」。そう話すのは、メンタルヘルスに特化したデジタルプラットフォーム「ラーン・トゥー・リブ(Learn to Live)」共同創業者で最高経営責任者(CEO)のデイル・クック(Dale Cook)だ。

「米国では、例年1億5000万人を越える人々が、精神面と問題行動を巡るさまざまな健康問題で苦しんでいることを示す強力なデータがある。にもかかわらず、治療を受けようとするのは4人に1人しかいない」とクックは話す。

「治療を必要としているか、あるいは、治療によって大きな効果が得られるのに、スティグマ(負のイメージ)やアクセス、コストなどのせいで助けを得られていない、『静かに苦しむ人々』は、1億人を優に超えている。パンデミックは、こうした山積する問題を、さらに悪化させたにすぎない」

非常に多くの青少年が、メンタルヘルスの問題を抱えており、そうした問題の多くは高校時代に始まることが多い。親や、メンタルヘルス治療に携わる人々、コミュニティは、ティーンエイジャーのメンタルヘルス問題をエスカレートさせる環境要因の変化について認識する必要がある、とブレナンは訴えている。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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