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2022.10.09 17:00

米国で、メンタルヘルス問題で入院する青少年が5年で61%増加

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが始まってから、もう2年以上が過ぎた。多くの親や子どもたちはいま、比較的普通のかたちで学校の新年度が始まったことを大いに喜んでいるのではないだろうか。しかし、米国に日常が戻ったという意識の陰には、子どもたちが抱える苦悩が隠されている可能性がある。

医療の効率化と透明化を目指すクラリファイ・ヘルス・インスティチュート(Clarify Health Institute)は2022年9月、1歳から19歳までの子ども2000万人以上の医療保険請求を分析した最新研究を発表した。それによると、メンタルヘルス治療を受けている子どもや青少年は、2016年と比べて2021年に急増している(メンタルヘルス治療を受ける子どもや青少年は、パンデミック前からすでに上昇傾向にあった)。

「2年半に及ぶパンデミック下での暮らしだけでなく、ソーシャルメディアや、気候変動がもたらす人類存続への危機感、米国における政治の機能不全という最悪な状況が積み重なって、メンタルヘルスの危機が起きている」と話すのは、クラリファイ・ヘルス・インスティチュートのチーフ・アナリストでプライバシー責任者のナイアル・ブレナン(Niall Brennan)だ。

最悪の状況が重なったことが、メンタルヘルスの急性期の診療を受診する人が短期間で大幅に増える事態を招いた。メンタルヘルス治療のために入院する19歳未満の青少年は、2021年に2016年比で61%上昇。患者1000人あたりの入院者は、年間30人だったものが48人に急増した。

入院患者が最も増えたのは、12歳から15歳のティーンエイジャーだ。その年齢層の女子は84%増、男子は83%増だった。メンタルヘルス関連で入院した患者は、男子と女子ともに一貫して増えてきたが、患者の絶対数で見ると、女子のほうが男子より2.5倍多い。患者1000人あたりで見ると、女子は125人、男子は50人だ。

こうした男女差は、入院数の増加につながる診断内容に関係している可能性がある。ブレナンによれば、メンタルと問題行動に関するすべてのカテゴリーで、急性期治療が増加していることが分析結果で示された。特に多く見られたのが、不安とうつ、それに関連する不調だったという。しかし、最も増えたのは、摂食障害による入院だ。ブレナンはこの疾患について、男子より女子のほうがかかりやすいと述べている。

ブレナンによれば、米国では多くの医療機関が小児用病床数を増やそうと努めている。しかし、現在は病床が足りておらず、地理的にも社会人口学的にもニーズが満たされていない、深刻な状況となっている。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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