「甘いお酒から入った人は甘いお酒を好きになりがちだというのは、驚きではないにせよ興味深いことです」。データセンシャルのコリーン・マクレラン副社長(顧客体験担当)はオンラインインタビューでそう語っている。
この調査によると、初めて飲んだお酒とまったく同じか、それと似た種類のお酒を今も飲んでいると答えた米国人は全体の8割超にのぼった。最初に飲んだお酒がハードセルツァーだった人では89%、白ワインだった人では88%、テキーラだった人では85%がそう答えている。テキーラも甘いカクテルなどから入った人が多いとみられ、いずれも比較的甘めのお酒だ。
最初に飲んだのがビールだった人も83%、赤ワインだった人も81%が今も同系統のお酒を飲んでいると回答している。ちなみに、いつも飲むお酒の種類としてはビールが80%でトップ、次が赤ワインの78%だった。
お酒の好みは20代のうちに決まることが多いので、この調査結果はワインのマーケティングに携わる人たちにとってもたいへん重要な意味をもつものだ。マクレランはこうアドバイスしている。
「適切な年齢に達した若い人たちをターゲットに『気軽に飲めるワイン』を売り込めば、消費者を早い段階で取り込めるでしょう。特別な日やロマンティックなイベントのときだけでなく、長期にわたって彼らを引き寄せられるかもしれません」
もちろん、お酒の好みが早い段階で固まるとしても、人は年齢を重ねるにつれてほかの種類も試すようになるという点には留意しておくべきだろう。
世代によって違うお酒の好み、ミレニアル世代は?
データセンシャルの調査では、飲酒する人を「初心者」「愛好家」「通(つう)」の3タイプに分けている。初心者はそのお酒に馴染みが薄く、それについてあまり学ぼうともしない人、愛好家は進んで学ぼうとするが、みずから「詳しい」とまでは言わない人、通はその分野のお酒について徹底的に学ぼうとし、その知識を進んでほかの人と共有しようとする人のことだ。
通の人の割合が最も高かったのはビールで、ビールを飲む人の24%が「ビール通」を自認していた。「ウイスキー通」が18%、「赤ワイン通」が17%でこれに続いた。調査結果からは、最初に飲んだお酒の通になりやすいこともわかった。
また、これは当然の結果とも言えるけれど、飲みすぎて気持ちが悪くなるなど最初のお酒で嫌な経験をした人の66%は、その後そのお酒を選ばないようになっていた。
調査ではこのほか、お酒の好みが世代によって異なることも浮き彫りになった。たとえばX世代はワインクーラー、ベビーブーム世代はワイン、Z世代はハードセルツァーからお酒を始める傾向がみられた。これは、最初にお酒を飲んだ当時の流行や広告に、消費者のその後の嗜好が影響され得ることを示唆する結果だ。
ただ、多様性志向の消費者として知られ、お酒についてもいろいろな種類を試すと考えられているミレニアル世代については、これは必ずしも当てはまらないかもしれない。それでも、彼らが好むお酒は、やはりほかの世代と同様に、最初に飲んだものであることが多いだろう。
(forbes.com 原文)