「当社は、状況の改善に向けて度重なる努力を行った結果、パートナーシップを見直すことを決定した」と、アディダスはフォーブスなどのメディアに送付した声明の中で述べ、見直し期間中もYeezyのシューズとアパレルラインを共同で管理するとした。
ウェストは先月、彼のもう一つのパートナー企業であるGapが、契約に違反したとして、10年間の契約を終了すると宣言していた。その際に彼は、「成功するパートナーシップは相互の尊重と共通の価値観に根ざす」と述べていた。
フォーブスはウェストの保有資産を20億ドルと推定しているが、アディダスとの関係を断ち切った場合、彼はビリオネアの地位を失うことになりそうだ。彼とアディダスの契約は、年間2億2000万ドル(約320億円)で総額15億ドルと試算され、この契約を失った場合、ウェストの資産は10億ドルを大きく割り込むことになる。
ウェストはこのニュースを報じたCNBCの記事をインスタグラムの投稿で引用し、「くたばれアディダス。彼らは私のデザインをレイプして盗んだ」と書いた。
昨年、法律上の名前をイェ(Ye)に変えたウェストは、3日にパリで行われた自身のファッションショーで「WHITE LIVES MATTER(白人の命も大事だ)」と書かれたTシャツを着用し、新たな物議を醸していた。
さらに、LVMHの会長のベルナール・アルノーが、彼の「親友」の死を引き起こしたと根拠なく非難したが、これは昨年11月に癌で亡くなったファッションデザイナーのヴァージル・アブローのことを指していると思われる。
メンタルヘルスの問題を抱えるウェストは、2018年に躁状態とうつ状態を繰り返す双極性障害と診断されたことを公表した。彼は、2020年の大統領選に敗北した後に、別の物議を醸す発言で話題になったが、その際に当時の妻のキム・カーダシアンはウエストの発言は、彼の意図と一致しない場合があり、「双極性障害によるプレッシャーと孤独に直面している」と述べていた。
(forbes.com 原文)